【LN】zero fee routingを考察する

【LN】zero fee routingを考察する

はじめに

zero fee routingというライトニングノードをご存じでしょうか。ルーティングによる手数料(fee)を徴収しないことを宣言しているノードで、読んで字のごとく「Zero Fee」なルーティングをコンセプトにしています。

情報量が極端に少ない公式サイトも名状しがたいミステリアスな雰囲気を醸し出していますが、やはりこの特異なサービス内容が目を惹きます。というのも、ルーティング手数料といえばライトニングノードの収入源の一つで、これを徴収しないということは電気代やリバランス費用で赤字になるばかり…というのは先日記事にまとめた通りです。

いったいどのような狙いで「Zero Fee」にしているのでしょうか。慈善事業?クジラの道楽?少し考察してみます。

Zero Feeにすると何が起きるか

<接続する側の視点>

ルーティング手数料が徴収されないということは、このノードに直接チャンネルを開設しているノード同士の送金においてfeeが発生しないことを意味します。

これは、接続する側のノード同士が直接チャンネルを接続している状態と似ています。違いがあるとすれば必要な費用です。

より多くのノードと直接接続しようとすると、その分の資金(チャンネルそのもののキャパシティ分と開設時のオンチェーン手数料)をチャンネルの本数分用意する必要があります。一方、zero fee routingを介するなら必要な費用はzero fee routingとのチャンネル開設にかかる費用だけで済みます(もちろん、その分合計のキャパシティは少なくなります)。

両者の費用の差はzero fee routingに接続するノードが増えれば増えるほど開いていくため、より少ない元手で多くのノードと接続したい場合にメリットがありそうです。

また、zero fee routingとのチャンネルの自ノード側のfee設定については特に制限がありません。たくさんのノードと接続できる特性を利用してうまく立ち回れば、接続するノードに流れる送金を仲介してルーティング手数料を稼げるかもしれません。

<接続される側の視点>

前述のメリットを享受しようと、zero fee routingへチャンネルを開設するノードが自然に発生することが想定されます。ノード設立初期のチャンネル数が少ない時期を除けば、zero fee routingは手持ちの資金を殆ど使わずともインバウンドキャパシティを稼ぐことができそうです。「Zero Fee」を謳えば、少ない元手でインバウンドキャパシティを呼び込める、と言えそうです。

zero fee routingの真の狙い

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暗号資産エンジョイ勢。UmbrelでBTCノード運用中。

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