次期暗号資産税制改正対応の最適解を考えてみたのでシェアします

次期暗号資産税制改正対応の最適解を考えてみたのでシェアします

日本国内に長期的に在住予定で、ビットコインを安全に守り、自由とプライバシーを大切にしたい皆さんへ。(特に今回は、トランプ組?などの初心者を想定して書きました。)

取引所のハッキングや政府による資産没収のリスクを避けるため、個人ウォレットでビットコインを管理しつつ、最低限の手間暇で税務申告および節税を図る最適解を考案しましたのでご紹介します。

この方法は、2026年頃に導入が見込まれる申告分離課税や、過去の株式・FXの税制改正を考慮し、自由と節税の両立を目指します。戦略の鍵は、ビットコインのほぼ全てをハードウェアウォレットで管理することです。

暗号資産取引所はMt.Gox、DMMビットコインでのBTC流出、CoincheckでのNEM流出など、安全とは程遠い状況があります。普段は個人ウォレットで保管し、円が必要なときだけ最小限のビットコインをBitbankやbitFlyerに送って円転。すぐに銀行口座へ移せば、取引所のハッキングリスクをほぼ気にしなくてもよくなります。

ただし、ハードウェアウォレットを初めて利用する方は、秘密鍵管理によるリスクを学習し、少額管理から始めてください。ビットコインを自己管理することで、ビットコイン本来の特性や機能を体感することができるでしょう。

ビットコインの取引所保管は、政府による口座差し押さえ、資産凍結の懸念もあります。取引所にはKYC(本人確認)で個人情報を提出する必要がありますし、税務当局がブロックチェーン分析ツールで取引を追跡する可能性もあります。

しかし、個人のハードウェアウォレットは秘密鍵を自分で管理するため、政府の直接的な管理から外れます。金融庁の規制も取引所が中心で、個人ウォレットへの規制はまだ明確ではありません。円への換金時だけ取引所を利用しましょう。取引所のLightning Network対応が進めば、安い送金手数料で利用でき、ハードウェアウォレットで管理する大部分のビットコインの安全性と匿名性を保てます。

2026年頃に予想される申告分離課税導入で、税率が20.315%に下がる可能性があり、現在の最大55%から大幅な節税が期待できます。また、株式・投資信託・債券間や、FX・先物オプション間のように、何らかの金融商品間の損益通算の導入の可能性があります。さらに最大3年間の繰越控除(損失を翌年以降に繰り越して利益から控除できる)も可能になるかもしれません。

ただし、この恩恵は取引所での取引に限定される危険性があります。2012年のFX申告分離課税導入では、国内店頭FX業者の報告義務が強化され、海外FX業者は総合課税のままでした。暗号資産も金商法改正で国内取引所が申告分離課税、海外取引所や個人ウォレットは総合課税となる可能性があります。

これでは日本国内でビットコインがP2P決済や通貨として流通することを阻害しますので、現在募集中の金融庁パブコメなどを通じてビットコイナーの声を届けるのも良いでしょう。

もし申告分離課税が取引所限定になれば、ハードウェアウォレットでの取引は総合課税のままになります。その場合、一般的な個人投資家の節税策としては、経費計上、取引ポジション整理による利益相殺、個人ウォレットの決済時利益などの雑所得を年20万円以下に抑え所得税申告を不要とする、個人全体の所得金額を年195万以下(所得税5%住民税10%で合計15%)にするなどが考えられるでしょう。

ちなみに税制改正前から保有するビットコインへの課税は、株式やFXの前例から「所得実現時の税制適用」に基づき、税制改正後の税率で課税されると予想します。

所得税法第36条は「その年分の所得は、その年において生じた所得による」と定め、株式(国税庁No.1470)では譲渡益が譲渡年に、FX(No.1521)では差金決済益が決済年に課税されると明記されています。2003年の株式、2012年のFXの申告分離課税導入時、含み益は売却まで非課税で、実現時に20.315%が適用されました。

暗号資産も同様に、決済時の税制が適用されると考えますが、現状の総合課税と同様、取得価額および手数料の申告を適正に行えることが前提となります。国内取引所で購入したビットコインであれば問題無いと考えます。個人間の取引・贈与・相続、海外取引所での購入の場合は客観的な取得原価の証明や取引履歴を求められる可能性が高いですが、それは現在の総合課税における税務申告でも変わりません。

取得価額の証明について不安な方は、クリプタクトやGtaxなどの税金計算サービス、暗号資産を専門領域とする税理士のサポートの活用も一案です。

仮に、申告分離課税専用口座での新規保有ポジション以外は認めない改正内容だった場合ですが、総合課税時の対策と同じように経費計上や利益コントロールにより、年間所得金額を195万以下とすると所得税+住民税で15%となり、申告分離課税よりも低税率となります。

また勘違いされる方が多いのですが、所得税は累進課税ですので、税率は所得の全額に一律適用されるわけではなく、基準額を超えた部分にのみ適用される仕組みです。

具体的には、所得税法に基づく課税所得に応じて税率が段階的に上昇します。例えば330万円の課税所得の場合、195万円までの部分は5%、それを超える部分に10%の税率が適用されます。330万円の所得なら、一律税率の住民税も入れた実効税率でも申告分離課税より低くなることを踏まえたトレードと税金の戦略を立てましょう。

さて、私が考える金商法改正に向けた行動の最適解を一言でまとめれば、「ビットコインの99%をハードウェアウォレットで自己管理し、必要分だけ取引所へ送ること」となります。取引所に送るビットコインの数量は、あなたが必要とする日本円の数量に準じます。

この戦略は、取引所保管によって生じるリスクをほぼゼロにし、プライバシーを守りながら、お手軽に申告分離課税の恩恵を受ける最適解を狙うものです。税制改正に過度な期待または過度な不安を抱かず、賢く準備を進めましょう。

参照:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い(令和6年12月)」、金融庁「令和7年度税制改正要望」

※あくまで専門外の一個人の考えですので、詳しくは税務および財務の専門家の意見を参考にしてください。

この続き : 0字 / 画像 0枚
100

会員登録 / ログインして続きを読む

関連記事

記事を書いた人

Bitcoin is stablecoin.

SNSにシェア

このクリエイターの人気記事

株式投資家・不動産投資家がビットコイン最終奥義に至る試練

547

ビットコイナーは一般層へ優しくない?

451

DH Magazine Pro 限定動画リアペ+争乱と不安の2017個人的体験記

420