今年もNostrasiaのデザインをしました
気づけば記事を書かずに一年が経っていました。お久しぶりです。
今年もNostrasiaのデザインのお手伝いをさせてもらいました。ありがとうございます。
今回も備忘録的に、デザインのコンセプトをここに残しておこうと思います。
目次
1. Logo Design
2. T-shirt Design
3. Pass Design4. まとめ
Logo Design

今回のロゴは、たーごいるさんに作っていただいた初期案をベースに、2025年のテーマに合わせてブラッシュアップしていったものです。その年のNostrasiaのキーワードは「祭」。その熱気や高揚感をどう視覚化するか考えていく中で、大正ロマンの雰囲気と赤富士のモチーフが自然と結びつき、ロゴの方向性が固まっていきました。
大正ロマンは、和と洋のあいだにある独特の美しさが魅力です。その空気感をロゴにも取り入れるため、フォントはセリフとサンセリフの要素が混ざった、強弱のある表情のものを採用しました。中央の「A」は富士山を思わせるシルエットに変形させ、「R」を包むように配置することで、NOSTR と ASIA が一つの流れとしてつながる構造にしています。
色は赤富士から着想を得ています。朝焼けで赤く染まる富士山は「めったに見られない縁起の良い姿」と言われ、その特別な瞬間を上下に溶け込むグラデーションとノイズ感で表現しました。少しノスタルジックでありながら、未来へ向かう明るさも感じられるトーンになっています。
Nostrはずっと「一期一会のつながり」を大切にしてきた場所でもあるので、ロゴにもその想いを込めました。その場でしか生まれない出会い、その瞬間から広がる熱量――そうした“Nostrらしさ”が、ほんの少しでも伝わるデザインにできればいいなと思っていました。
実際にイベントが終わって振り返ってみると、ロゴに込めたこのテーマや感情が、会場の雰囲気や参加者同士の交流の中でちゃんと息をしていた気がします。赤富士のような、一瞬の特別な高まり。その片鱗でも誰かが感じ取ってくれていたら、とても嬉しいです。
T-shirt Design
Photo: SUZURI
スタッフ用のバックプリントTシャツも制作しました。
イベントTシャツって、その時の思い出としては最高なんですが、終わってしまうと一気に“着る機会がなくなる”のがずっと勿体ないと思っていました。
今回はその固定観念を少しでも壊したくて、普段でも着られるデザインを目指しました。
背面の波のようなラインは、ロゴと同じく赤富士から発想を得ています。
富士山の稜線を抽象化し、揺らぎとして再構成することで、現代的な赤富士を表現しました。
具体的に描きすぎず、印象だけを残す抽象表現にすることで、日常のファッションになじみやすい仕上がりになっています。
イベントの空気をまといつつも、日常に戻ってからもそっと手が伸びるような、そんな一枚を意識しました。
Pass Design

Nostrasiaでは交流を促進するために、参加者同士でシールを交換し、集めた枚数に応じてグッズがもらえる仕組みを導入していました。
そのため、パスには名前を書く欄とは別に、シールを貼りやすいスペースを用意しています。
マスに沿ってシールが増えていくことで、どれくらい交換したかがすぐに分かるようになり、会話のきっかけにもなりました。
交換の様子が見えやすくなって、やりとりもしやすくなりました。
また、スタッフTシャツの表側には肩書きを入れていなかったため、パスでは GUEST / STAFF / SPEAKER が瞬時に判別できるよう、色と文字で明確に区別しました。色はロゴの世界観と連動させ、イベント全体のトーンに馴染むようにしています。
機能として必要な役割と、イベントの空気感の両方を大事にしながら仕上げたパスです。
まとめ
イベントのデザインは、空間や人の動きと一緒に完成するものだと思っています。
ロゴもTシャツもパスも、当日の空気の中で“使われている姿”を見て、はじめて意味を持ちました。その景色を見られたことが、とても嬉しかったです。
また次に作るときも、その場に合う形を探していきたいです。


