「あの王墓から想像される絶対権力者の王が、どうして、このように、鬼神をおそれたのであろうか」

「あの王墓から想像される絶対権力者の王が、どうして、このように、鬼神をおそれたのであろうか」

画像1:古代中国の殷王朝の時代の青銅器(簋(き)(英語表記:gui))

「この多様にして広大な大陸は、悠久の時の流れのなかで、世に比類ない美術を生み続けてきた。神話と呪術に裏づけられた鬼神の美術は、やがて怪力乱神を敬して遠ざける人間の美術となった。それらの多くは、死者を慰めるために大地に埋められ、数百年、数千年の時を経て掘り起こされ、現代に衝撃をはしらせる。」

(出典: 〔序文〕 (1981年) 樋口隆康(著者), 菅谷文則(著者), 繭山康彦(著者), 陳舜臣(著者), 利根山光人(著者), 林巳奈夫(著者), 岡村秀典(著者), 『新潮古代美術館 10 : 鬼神と人間の中国』, 新潮社, 7ページ.)


●画像1:の出典: "Gui (vessel for serving grain) China Shang Period 13th century BCE Bronze" by Mary Harrsch on Flickr (License: CC BY 2.0).
https://www.flickr.com/photos/mharrsch/20155596255/

 

 画像2:中国の安陽(現在の河南省安陽市)にある、古代中国の殷王朝の時代の殷墟から出土した青銅器(司母戊鼎(しぼぼてい)(英語表記:Si Mu Wu Ding))の複製品(レプリカ)

「商王は絶対の権力をもっていた帝王であった。安陽の殷墟から発見された王墓には、大量の奴隷や動物を犠牲として、ほうむり、多くの財宝をみたした。あの王墓から想像される絶対権力者の王が、どうして、このように、鬼神をおそれたのであろうか。権力者でももっていた人間の弱さをかいまみるようである。」

(出典: 樋口隆康 (1981年) 「古代中国の祭祀」, 「鬼神の世界」, 「中国古美術の展開」, 樋口隆康(著者), 菅谷文則(著者), 繭山康彦(著者), 陳舜臣(著者), 利根山光人(著者), 林巳奈夫(著者), 岡村秀典(著者), 『新潮古代美術館 10 : 鬼神と人間の中国』, 新潮社, 89ページ1段目.)


●画像2の出典: "anyang yinxu - si mu wu ding" by Xuan Che on Flickr (License: CC BY 2.0).
https://www.flickr.com/photos/rosemania/4430509434/

 

 画像3:夔(き)(「大荒東経」, 『山海経』(せんがいきょう)より)


●画像3の出典:「夔(き)」, 「山海經18卷. [4]」, 国立国会図書館デジタルコレクション, コマ番号:14 (著作権保護期間満了 (パブリックドメイン) ) より, 元の画像を加工・編集して使用しています.
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2555516/14
書誌情報:郭璞(かくはく)(伝), 蒋応鎬(絵図) ([明刊]) [「夔(き)」の項目], 『山海経 第十四:大荒東経』.
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2555516/8


「夔神鼓(きじんこ)をかたどった古代中国の青銅器にみる、太鼓のかたちをした夔(き)のすがた」
https://wisdommingle.com/?p=19766#jump_200713a 

「これ好奇のかけらなり、となむ語り伝へたるとや。」

この続き : 0字 / 画像 0枚
100

会員登録 / ログインして続きを読む

関連記事

記事を書いた人

たくさんの人が、目を輝かせて生きている社会は、きっと、いい社会なのだろうとおもいます。 https://yukinobukurata.bio.link/

SNSにシェア

このクリエイターの人気記事

メタバースに図書館建ててみた 仮想都市Cryptovoxelsではじめる異世界トークンエコノミー

561

飯室谷の飯櫃童子霊石と、不動堂と、魔王堂と、慈忍和尚廟

196

Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)のVR空間でNFTを使って展覧会を開催してみた

175