ビットコイン・カンファレンス・マイノリティ・リポート①
「イーサリアンはビットコイナーと違って、みんな友好的。お互いの立場を理解し合ってるし、排他的なビットコイン界隈の雰囲気より大人だから、異業種や政治家との協力も進んでいる。」
「最近の市況はWeb3本丸を過小評価してるけど、次のイノベーションもビットコインでは無くイーサリアムから生まれる。いつまでも枯れた古いプラットフォームが幅を効かせていることは、業界全体の不幸だ。」
私と同じ頃に仮想通貨にのめり込んだ友人Wは、生粋のEthereum推しでアンチBitcoin。
「推しコインの色や形で人を差別するべからず」という親の教えから、今も交流は続けている。
彼女の得意技は予知夢で、色々な事件や出来事を的中させているらしいが、Ethereumの未来はまだ予知出来ないらしい。
「最近、イーサリアンの講演やTweetに違和感を抱き始めた。なにか悪い予感がして仕方ない。財団の売却もなぜ今なのか疑問を感じている。あんたが進化を停止したコインで満足してて、正直に言うとお気楽で羨ましい。なんだかビットコインに興味出てきてるから、少し教えて。」
単純な話、アルトコイン価格の低迷で、界隈の不穏な空気が不安なんでしょ?と推察した私は、彼女にある提案をした。
「私はマキシでもビットコイナーでもなくポエマーなので、貴女に教える事は無いかな。秋にビットコインのイベントが渋谷であるから行きな。イーサリアムの複雑さを理解出来るなら、シンプルなビットコインの理解は簡単かもね。」
こうして一人のイーサリアム信者がビットコイナーの祭典に潜入することとなった。恐らく、ガチイーサリアンの参加者は彼女だけだろう。
私は、ビットコイン・カンファレンスの事前情報を伝え、潜入取材への見返りとして、彼女のウォレットに0.03ETHを送金した。
ここからは、圧倒的人数のビットコイナーに押し込まれつつ届けられたマイノリティ・リポートと、ポエマーの適当な返信の記録である。
「ずいぶん金のかかりそうな会場でやるんだな。ファンデーションが金出してるの?」→ビットコイン株式会社のCEOからじゃない?
「入口にガチムチセキュリティがいると言ってたけど、ヨボじい警備保障しかいないぞ。」→そのひと郭海皇だよ
「廊下でいきなりホームページに載ってる主催者とか講演者とすれ違ったけど、セキュリティ大丈夫?WebXではこんな事なかった。」→廊下歩いてるの影武者だから心配不要
「予想より仲良しこよしな雰囲気。もっと議論が紛糾して殺伐としてるイメージだったががっかりだな。」→ビットコイナーは用心深いから、みんな武器を隠し持ってる
「Web3系のノリとか被り物したVBのこと揶揄してるけど、着ぐるみのコロッケと写真撮ってる奴等イタイぞ。」→ビットコイナーはステーキや揚げ物に目が無い