DMMGOXとビットコイン自己管理
反省会93リアクションをトピック別でお届け
・フィアット建て価格が上がるほど、ハッキングやフィッシングのインセンティブが上昇するので、セキュリティ意識と対策を高めなければならない
・DMMのGOXは詳細待ちだが、保管システムとオペレーションの両面で落ち度がないように管理しないとハックされるということ
・コインチェックのGOXと比較してメディアが大きく取り上げたりしないのは、補償をすぐに打ち出したことが大きい?
・大会社がバックにいない取引所は大規模ハッキングでの補償は厳しいし、DMMもBTCで補償するのはかなりキツイはず。
→今だ初心者やビットコイン保有者の大半にとって、セルフカストディへの心理的・技術的ハードルは高いですね。コインチェックやDMMが補償することも、日本において取引所保管派が優勢になる要因と言えます。
→日本でビットコインの自己管理が一般普及する道のりは果てしなく長そうですが、セキュリティの文脈では、フィアット建て価格が上がれば上がるほど、ビットコインを自己管理する必要性や必然性は高まっていきます。
→okometsubuさんのブログで同様の話題が出ていたので、久しぶりにTwitterで反応してみました。
思うに「銀行の貸金庫にシード預ける保管方法って銀行をトラストしている。取引所を信用するのと根本的に同じ。国家の資産没収リスクとしてもほぼ一緒では?」という指摘に対して、しっかりと答えている人がいないような気がします。みんな同意ということでしょうか?
個人的には、貸金庫シードフレーズ保管は取引所のようなハッキングリスクがないこと、個人宅金庫保管よりもセキュリティが高まること、場所の分散になることが主なメリットかと思います。デメリットは銀行や銀行員をトラストすること、国家介入リスクは取引所と大差ないこと、保管手数料がかかることでしょう。
ちなみに、銀行員による覗き見対策ならパスフレーズの設定が有効です。きっと、パスフレーズの保管はどうするの?仮にパスフレーズをブレインウォレットにした場合の認知症や事故による失念リスクは?という心配も出ると思います。
ビットコインの保管方法の詳細は、秘匿性や個別性が高い話題なので、ネット上など公の場面で言及しない方がベターですが、それが自己管理への啓蒙や教育の妨げになっている面も否めません。
ただ、どんな資産でも完璧な保管方法はないのです。資産額やリスク許容度によってバランスを取ることが現実的ですが、物理的盗難リスクや国家没収リスクなら、ビットコインは現金や金地金よりセキュアです。移動の利便性・携帯性が高いのも大きなメリットですよね。
株式や債券は物理的盗難リスクはないですが、発行元や証券会社の破綻リスクはありますし、国家から狙われるリスクは当然あります。
株式・債券などのペーパーアセットは、ビットコイン・金・絵画といったハードアセットに比べ、管理の手間は楽ですが、インフレファイターの役割をどこまで果たせるかが懸念材料だと思います。
ハードアセットのもう一つの代表格である不動産は、別のメリット・デメリットがあるためここでは割愛しますが、管理の手間という観点では一番大変です。
まとめますと、取引所保管とHWW保管・シード管理はどちらも「スリル、ショック、サスペンス」ばかりで楽しいですよ笑
→ビットコインヒストリーで見ると、米国でETFが認可され、有力大統領候補者がセルフカストデイの権利を守ると語る現在。価格面や規制面で災害級のサプライズやクライシスは起きないフェーズに入った可能性があります。(暴騰・暴落および国家介入がないという意味ではない)
反面、ビットコインが市民権を得た世界線では、詐欺や盗難リスク、プライバシーリスクが現在よりもずっと高くなっているはずです。貴重なビットコインを狙う悪意を防ぐ工夫と知恵がホドラーには求めらます。
ただ、あまり心配しすぎなくてもいいと思います。ビットコインがマスアダプションした未来ならば、セキュリティのノウハウが広まり、ウォレットやマルチシグのUIUXも大きく改善しているはずです。
ビットコイン黎明期・普及前時代の幸運な皆様におかれましては、みだりに個人情報やビットコイン保有事実を明かさないこと、甘い投資話に乗らないこと、長期保有分はディープコールドストレージなどオフライン保管すること、オンラインのデバイスは普段遣い用とビットコイン用を分けること、といった対策が有効だと思います。
セルフGOXしまくりな私の自戒を込めて。