ビットコインマイニング⛏️ニュースレター
2026年 第3四半期号|グローバル特集版
【2026年7月〜9月】今期のビットコインマイニング業界では、ASICの進化に加え、AIデータセンターやAIクラウドへの事業転換が加速しました。北米、南米、アジアなどから、8つのニュースを紹介します!
【01】事業転換
Hut 8、AIデータセンターで2件目の大型リース契約を獲得
💰 15年契約・98億ドル
米国のマイニング企業 Hut 8 は7月20日、テキサス州のBeacon Pointキャンパスについて、15年間で98億ドル相当となる2件目のリース契約を結んだと発表しました。既存の投資適格の顧客との契約で、同キャンパスの契約総額は基本契約期間だけで196億ドルに達し、全容量の契約が完了しました。マイニングで培った電力調達や施設運営のノウハウを、AI向けインフラに生かしています。
【02】グローバルサウス
Tetherのウルグアイでのマイニング計画が頓挫
🌎 約1億2,000万ドルが投じられた可能性
ステーブルコインUSDTの発行元Tetherは、2023年5月に南米ウルグアイでのビットコインマイニング事業の開始を発表していましたが、電力供給量をめぐる対立から計画は行き詰まり、施設は放棄されました。Reutersが8月21日に報じた調査報道によるもので、出来事自体は2025年に起きています。
Reutersによると、Tetherの現地法人Microfinが契約上どれだけの電力を受け取れるかについて、元契約者やUTE側の情報源は、双方の解釈が食い違っていたと証言しています。覚書は未署名のまま電気料金の未払いも生じ、国営電力会社UTEは2025年7月25日に2つの施設への送電を停止しました。投資額は約1億2,000万ドルに達した可能性があるとされています。
【03】業界の構造変化
ビットコインマイナーの新たな競争力は「電力」に?
🔌 AI需要が生む新しいビジネス
Reuters Breakingviewsは9月、マイニング企業のAIインフラ進出を分析しました。Cipher Digital、Hut 8、TeraWulfなどは、AI向けの施設を長期契約で貸し出すことで、契約に基づく安定した収入を狙っています。AI向けの計算サービスを自ら提供する企業もありますが、その場合は追加投資や機器の陳腐化といったリスクも伴います。
【04】ASICの進化
Bitmain、新型「Antminer S23 XP Hyd.」を発表
⚡ 8.9 J/TH・600 TH/s
8月27〜28日に香港で開催されたWorld Digital Mining Summit(WDMS)で、Bitmainは新型の水冷式マイナー「Antminer S23 XP Hyd.」を発表しました。メーカー公表値では、ハッシュレートは600 TH/s、消費電力は5,340W、電力効率は8.9 J/THです(数値が小さいほど高効率)。9 J/THを下回る効率が大きな特徴で、出荷開始は2026年11月以降と案内されています。
- BITMAIN公式ショップ:Antminer S23 XP Hyd.
- Firsthand:The Antminer S23 XP Hyd is the first Antminer under 9 J/TH(2026年9月20日)
【05】マイニングの採算性
新型ASICは、価格差に見合うだけの価値がある?
🧮 効率だけでは決まらない投資判断
9月2日に公開された比較記事(ホスティング・販売会社OneMinersのCEOによるもの)は、S23 Hydro(9.5 J/TH)とS23 XP Hydro(8.9 J/TH)を比較しています。効率の改善は約6%で、電気代1kWh=0.048ドルの前提では、節約額は5年間で約1,739ドルです。これに対して価格差は約3,000ドルあり、追加費用を回収できないと結論づけています。電気代が高いほど効率改善の価値は大きくなり、家庭用電力に近い0.12ドル/kWhでは5年間で約2,275ドルになりますが、それでも価格差には届きません。ただし、比較に使われたのは同社カタログのS23 Hydro(12,299ドル)とBitmainの先行販売価格(15,300ドル)で、価格は変動します。
【06】次世代インフラ
Bitcoinマイニングを宇宙空間で? Starcloudの挑戦
🛰️ 宇宙でASICを稼働させる構想
宇宙データセンターを目指すスタートアップStarcloudのフィリップ・ジョンストンCEOは、9月21日のDocumenting Bitcoinのインタビューで、年内に打ち上げ予定の2機目の宇宙機Starcloud-2にマイニング用ASICを搭載すると語りました。CEOは、ASICはGPUよりkWあたりのコストが約30分の1だと説明しています。
一方、Tom’s Hardwareによると、Starcloud-2の公式ページにはビットコインやASICへの言及がなく、現時点ではCEOの発言の段階です。人工衛星は保守が難しく、真空中では対流による放熱もできないため、放熱設計が課題になります。
【07】新規マイニング事業
Sterling Digital、天然ガスを活用したマイニングを開始
🔥 ガス資源からビットコインへ
英国のAQSE市場に上場するSterling Digitalは9月1日、米テキサス州西部の拠点で、試運転中に初めて検証済みのビットコイン採掘を記録したと発表しました。現地の未利用の天然ガスで発電し、その電力でマイニングを行うモデルで、現在は2基の発電機(正味約1.6MW)で420台のASIC(合計約193,500 TH/s)を稼働させています。継続的な商用運転はこれからです。
【08】AIクラウドへの転換
IREN、MicrosoftへHorizon 1を納入。NVIDIAの認定も取得
☁️ 97億ドル契約の第1弾
もとはビットコインマイニング企業だったIRENは、8月13日、米テキサス州の拠点「Horizon 1」をMicrosoftに納入し、受け入れられたと発表しました。5年間・97億ドルの契約で予定される4拠点(各50MW)の第1弾です。同拠点はNVIDIAの「Exemplar Cloud」認定も取得しました。AIクラウドの容量を2026年に480MW、2027年に1.2GWへ拡大する目標を掲げています。
おわりに 🌱
今期は、マイニングが「ハッシュレートの競争」だけでは語れなくなった四半期でした。大手マイニング企業のAIインフラへの事業転換が目立ちますね。電力、冷却、採算性といった視点から、来期もマイニングの動きを追っていきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!⛏️
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ビットコインマイニング・ニュースレター|2026年10月21日発行。 本ニュースレターは情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。



