Altcoin guys, forever.
図に示した『The Blockchain Trielemma』は、アニソン歌手ヴィタリック・ブテリン氏が2017年に提唱し、開発者・研究者の間で広く信じられています。これは、処理性能(scalability)と安全性(security)、そして分権性(decentralization)の3つにはトレードオフがあり、同時には2つまでしか成立しないという経験則に基づいた主張です。最近では京都大学が研究対象にしています。
ブロックチェーントリレンマの数理的記述(京都大学ICT連携推進ネットワーク)
https://ict-nw.i.kyoto-u.ac.jp/ict-innovation/18th/panel/2058/
ブテリン氏は高校時代の2011年、父親に教えてもらったビットコインに興味を持ち、『Bitcoin Magazine』を共同創刊します。2013年、自身の提案を否定されたことを理由にビットコインコミュニティと袂を分かち、『Ethereum』の開発に向かいます。
Ethereumは当初、暗号資産に支えられたあらゆるアプリケーションを実行するための分散型プラットフォームとして、「ワールド・コンピューター」を目指していましたが、その理念に反するプレマイニング(Ethereum Foundationと100人程度の初期貢献者が約1200万ETHを山分け。それは現在のETH流通量の約10%に相当する。)を実施しました。
The DAO事件隠滅ハードフォーク、春の〇〇アップグレード・パンプ祭り、ICO・Stablecoin・DeFi・NFT・DAO・L2・RWAワッショイタイム、「かんきょうに やさしいぼくの PoS移行」を経たEthereumは、「分散型ワールド・コンピューター」というより「集権型ワールド・オンラインカジノ」で稼ぎまくってきましたが、最近は市場の評価をビットコインと競合シットコインに奪われつつあります。
ブテリン氏が才能豊かな青年であることは誰もが認めるところです。もしも彼が、ビットコインの啓蒙・開発に残っていたとしたら興味深い未来が待っていたのかもしれません。少なくともアルトコイン・ミームにはならなかったでしょう。
後年どう評価されるのか楽しみですね。「シットコイン・キャピタリズムを広めた功績」「信奉者・財団構成員との熱い絆」「ビットコインを妨害しながら新たな神を目指した原罪」の3つがブロックチェーンに刻まれ、永遠のトリレンマとなる未来が見えます。