Diamond SwapのSwapoutの活用方法

Diamond SwapのSwapoutの活用方法

先日Boltzを活用したトラストレスなDiamond Swapを公開し、Swapinのユースケースや意義、特にSwapinでの報酬受取方法について記事にしました。

今回はSwapoutについて解説します。

Diamod SwapのSwapoutの活用方法

Diamond SwapはSwapoutとSwapin両方共にトラストレスにオンチェーンとライトニング上のビットコインのスワップ/変換が出来るのが特徴ですが、一般的にSwapoutには以下のようなユースケースがあります。

インバウンドキャパシティの生成

Swapoutをして、LN→オンチェーンにビットコインを変換することで、インバウンドキャパシティをオンデマンドで生成することが出来ます。これがルーティングノード運営者にとってSwapoutのメジャーな使い方の一つです。

せっかくなのでインバウンドキャパシティについて改めて少し復習しましょう。

例えばDiamond Handsノードに0.1BTCのチャネルを開き、その他のノード3つにそれぞれ0.03BTCのチャネルを開いたとします。初心者的な考え方だとチャネルを複数開いたのでこれでルーティングが発生するのでは?と思うかもしれないですが、これには大きな問題があります。

自分からチャネルを他のノードに開く行為は、いわゆるアウトバウンドキャパシティ(チャネル上で自分がコントロール出来るお金)を増やす行為で、インバウンドキャパシティは実は全く増えていないのです。

インバウンドキャパシティは平たく言えば、他のノードが自分のノードに対して提供してくれたビットコインの流動性、のことなので、自分から相手にチャネルを開くだけではインバウンドキャパシティ不足でルーティングも発生しないし、ライトニング上でお金を受け取ることも出来ないのです。これが俗に言うインバウンドキャパシティ問題ですね。

ルーティングをする上で初心者が最初の方見落としがちなことの一つがアウトバウンドとインバウンドのバランスです。一般的に小さい規模のノードだとアウトバウンドに対して一対一くらいの割合でインバウンドがあるのが理想とされています。

ではどうやればインバウンドキャパシティを手に入れるのかというと、それには色々やり方があるのですが、落とし穴も多いです。

例えばアウトとインのバランスは一対一であるべきと言いましたが、同じインバウンドでもどのノードとのインバウンドかで、その質やルーティングの流れやすさも変わってきます。例えばLNBigは以前からインバウンドキャパシティを販売するサービスを運営していますが、彼らのインバウンドは中々ルーティングが発生しないことが多く、使い方をわかっていないと支払いするだけ損してしまうパターンもあります。


というわけでインバウンド生成は色々面倒そうなのですが、安心してください。Diamond Swapを使えば簡単なので。


Diamond SwapのSwapoutを利用することで、Diamond Handsノードとの間で良質なインバウンドキャパシティを好きなタイミングでいつでも作れるようになります。しかもBoltzベースなのでこの作業はトラストレスでお金が途中でなくなったり取られたりするリスクもありません。

多少Fee(0.2〜0.3%程度)はとりますが、初心者ノードにとってはDiamond Swapはインバウンドとアウトバウンドのバランスを必要に応じて調整出来る便利ツールとして使えます。


店舗などのキャパシティ調整


Swap系のサービスで最も有名なものがLightning Labsが提供するLoopですが、元々これはライトニング対応店舗などのチャネル上のバランス調整などに使われることを想定しています。

具体的にイメージしやすい例をあげると、例えば取引所やライトニング対応している人気サービスがあったとして、多くのユーザーがライトニングで入金をするのに対し出金がほとんどない場合、チャネル上のキャパシティはサービス提供者のアウトバウンドに溜まっていき、最終的には支払いの受け取りが全く出来なくなります。

これを回避するために、取引所や店舗からLoopに対してSwapoutをして、チャネル上のインバウンドとアウトバウンドのバランスを戻すことで、安定して支払いを受け取れるような環境を作るのがSwapoutのユースケースの一つです。

自分は以前本当に店舗はSwapoutを使っているのか?と結構懐疑的だったのですが、この前ヨーロッパ出張に行った時に外のライトニング企業の人と話していたら、確かに実際Loopを利用しており、更にそのフローを自動化しているので店舗や取引所視点からすると基本放置しているだけでいい、というのが便利。とのことでした。地味だけどこれは縁の下の力持ち的な重要なサービスなんですよね。

アービトラージ

もう一つのSwapoutの利用ユースケースがアービトラージ手段としての利用です。

ライトニングのルーティング市場はまだまだ未成熟で、非効率が色んなところに落ちているので、オンチェーン手数料が安い時にSwapoutを使いオンチェーンビットコインを取得し、それを使って他のサービスからより高い金利を得たり、貸し出しをしたり、などのアービトラージ戦略が機能することがあります

具体的に何をどのように、みたいな話はしませんが、少し探せばSwap周りで確実に稼げる機会みたいなのは落ちていることもあり、将来的にもこういうアービトラージの機会は当面はなくならないと思っています。逆に言うとそういうのを見つけるのがノード運営者の腕の見せどころ、という感じなんでしょう。

というわけでSwapoutのユースケースのいくつかを紹介しました。何となくその存在意義や利用シチュエーションわかったんじゃないでしょうか。

次の記事では具体的なSwapoutの使い方、チュートリアルについて説明します。

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