ビットコイン懐疑派への印籠

ビットコイン懐疑派への印籠

前回記事の続編です。

また株式投資家の集いでビットコインを布教してきました。

今年最高の参加人数とのことで、トランプが株式保有者を喜ばせている様子は2016年相場の再来ですね。顔ぶれは20〜30代が多く、新規勢の参入が見て取れます。

クリプト市場も同様ですが、2017年のループ相場だったら「世紀の空売り」が来そうです。反面、下値を拾う勢力も増えているので、ボラティリティ低下は既定路線かも。ビットコインが世界通貨に向けたステップを着実に歩んでいると言えます。

株式市場はコロナショック以来、ナイアガラは出現せず春の小川のせせらぎなので、そろそろ油断して浮かれ出す予感。

と思いきや、参加者の話を聞いていると、「NISA・iDeCoの活用方法」「リバランスの必要性」「PFにおける債券比率」「保険商品の有用性」など堅い話がメイン。お一人、独立系FPをしている愉快なおじさんが盛り上げ役になってくれて場が和む感じでした。

若手が多いせいか、暗号資産もかじっているという参加者が数名いました。その中に「ビットコインが結構好き」と話す女性がいたので早速話してみると、「株式クラスタにビットコインを説明するのはかなり厳しい。」とのこと。

完全同意なのですが、前回、矢継ぎ早のビットコイン質問コーナーになった教訓を活かし、今回は労力をかけずビットコインに興味をもたせる実験ツールを用意してきたので見てもらいました。

長文なので題名と重要箇所にマーカーを付けました。

この投資カンファレンスは中高年男性がメイン層です。日本人×中高年×男性=大部分が権威に弱いという仮定のもと、内容よりも「株式クラスタが権威を感じる出典か」を優先しました。

本稿は「世界4大会計事務所」KPMGが提供しており、執筆者は「日本4大監査法人」あずさ監査法人のディレクターです。

お上の次にお固い商売である日本の監査法人が公式媒体でビットコインを推奨し、最終行にはこんな言葉まで添えています。

『ビットコインを蓄積することはもはや国策と言えるかもしれません。』

ビットコイン好きの女性からは「へぇ。中立性の高い機関が出したリポートだから響くかもしれない。」との感想。ただ渡すのではなく、言葉を添えることが重要な気がするとも。

「以前は私も皆さんと同じくビットコインは怪しいと思っていました。今もクリプト市場全体は怪しさ満載ですが、ビットコインはアメリカが国家を挙げて取り組みだしています。日本の税制やETFが無い状況はNISA無税の株式に比べて不利ですが、将来に向けてPFに加える意味があると思います。」的なやつを。

そんな話をした後に、席交換の時間。今回の実験に相応しい中高年が揃ったテーブルを選び着席。ひとしきり投資遍歴の語りや政治談義が一巡した頃合いで、

「アメリカではビットコインが人気になってますけど、日本でも同じことが起きますかね?」

「そうらしいけど、すぐ終わるでしょ。」「日本は保守的だから、ファンダメンタル分析できない商品はどうかね。」「金投資もそうだけど、配当が無いのがネックだと思う。」「使い道がよくわからないから手を出していない。」

予想通りの反応で、実験環境はバッチリ。仕事柄、彼らの意見を否定せずに傾聴するのは好きなので、言いたいだけ話してもらいました。否定ネタが尽きたところで「実は私もビットコインには否定的だったんです。」と視点を合わせ、「最近は世界の認識が大きく変わっているようで、世界最大級の監査法人がこんな資料を作っていてビックリしました。良かったらどうぞ。」と例のやつを人数分配りました。

※ちなみに、本カンファレンスは特定の投資商品の勧誘は禁止なので、事前に主催者に資料を見せて、公益性のある内容と承認をもらっています。後でとやかく言われる可能性もあるので。

資料を見たテーブルの反応はというと、

「あずさねぇ。会社の経理やってた時に散々細かいこと言われたな。」「ああ、監査法人って本当にそうですね~」「わかります。うちは新日本監査法人で、対応者が鬱になってました。」

など、監査への怨嗟が続き、ウンウンと頷いていたら、

「まあ、将来的には仮想通貨がPFに入ってくるのはありえるよね。」「日本は税金が障害になってるけど、NISAで投資できるようになったら手を出す人は多いかも。」「知らなかったけど、トヨタの時価総額の4倍まで大きくなったんだ。値動きも昔みたいに激しくないの?」「あなたみたいな若い人達は、AIとかこういう新しい分野にどんどん踏み込んでいけばいいと思うよ。私は若くないからw」

など、概ねビットコインに対する印象の変化が読み取れる反応をもらったところで閉幕という感じでした。少なくとも、ビットコインに対する抵抗感や否定感情は和らいだ様子でした。

私の専門領域で高名な心理療法家ミルトン・エリクソンはこう述べています。

「過去は変えられません。変えられるのは過去に対する見方や解釈だけです。これすらも時とともに変わります。人は明日に向かって今を生きているのです。」

彼らのビットコインに対する解釈変容への種蒔きは、有意義な時間の使い方だったと感じています。たとえそれが空振りでも、私が個人的に満足していれば良質な時間に他なりません。人は明日に向かって今を生きていると幸せなのです。

読者の方も、出来る範囲でリアルなビットコイン布教やってみたら面白いかもしれません。その際は、HODLしているビットコインの話は不要です。リスキーですし、ポジショントーク感が強まります。

ただビットコインを全くHODLしていない設定だと、「ならお前買え」と言われそうですし、「昔持ってたけど円転済み」は「なんで売るの?」だし、「秘密鍵無くした」なら「やっぱ危険じゃん」となりますので、「数千円分をスマホに入れて決済用に使っている」とか「PFの一部にBTCを加えている」のほうが説得力があります。

実践した方がいたら教えてください。偽Satsあげます(笑)

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