暗号資産トレード(仮想通貨取引)における備忘メモ etc

はじめに

こんにちは。Crypto_Ritsuです。

この記事は、主に仮想通貨トレードの基本的な考えをまとめた私用のメモです。価格設定は私がほかの有用な記事を読むための投げ銭用で、おおよその部分は無料で読むことができます。

以下の文章は全て私の主観であり、正しい情報とは限らないことを予めご了承ください。

主に以下の構成で作ってます。

  • 1)価格の変動の基本知識
  • 2)BTCの基本知識
  • 3)経済の基本知識
  • 4)Twitterで参考になる方々
  • 5)最後に

1)価格の変動の基本知識

価格の変化には主に三つあります。

  • デリバティブ
    •  取組高の大量清算 ※1
    •  取組高の急増 ※2
  • 現物
    •  現物の大量売買 ※3

それぞれについて軽く解説します。

■ポジションの大量清算は相場反転の予兆

取組高の大量清算(※1)は、相場反転の予兆になりやすいです。

例えば下降トレンド時を想像してください。今の地点から価格が下がるには、誰かが成行売りをする必要があります(チャートの動きは、誰かが成行売買をしているから成立していることに留意)

言い換えると、価格が下がるには「誰かが新規で成行ショートを行う」か、「ロングが燃料になって焼かれるか」のどちらかしかありません。

図1 大幅な価格変動とOIの変動

「取組高の大量清算」=「燃料のロングが一気に減った」ということなので、通常、大量清算で燃料を消費した後にさらに下げるのは困難です。

(そのことを知っているショーターも、燃料ロングを焼き切った段階で利確を考えるため、買い戻しも発生します)

以上を合わせて考えると、上記の例では、さらに価格を下げるよりも底打ちして反転しやすい状況になっていると言えるでしょう。

OIの大量清算は絶対の指標ではないのですが、清算されたポジションから入るほうが優位です。

■取組高の急増からのチャートパターン

例えば、三尊・逆三尊、カップウィズハンドル、などチャートパターンを目にしたことがあるかと思います。これらについては、出来高・取組高(OI)を無視して当てはめている場合は精度が落ちると考えてください。

図2 OIの変化とチャートパターンの対応

例を挙げます。図はカップウィズハンドのチャートです。重要なのはOIです。価格は同じ地点に戻ってきたのに、OIは増えています。

分かりやすく言い換えると、同じ価格に戻ってきたとき、損を抱えたままのショーターが燃料になったまま残っている、ということを意味します。

カップウィズハンドや逆三尊が上へと向かうチャートパターン扱いされているのは、同じ価格に戻ってきたときに燃料をため込みやすい形だから、という理屈です。

逆に言えば、燃料がない状態の形だけのチャートパターンはあまりあてになりません。

「このチャートパターンは見たことがある」と思っても、一旦はOIの増減と照らし合わせて、無為にポジポジせずにエントリーを絞るといいと思います。

■現物の大量売買をオンチェーン情報から推定

仮想通貨(暗号資産)のトレードのいいところは、チェーン情報の検閲が可能だという点です。

現物の大量売買を行う際は、必ず取引所に現物を送らないといけません。現物を買うなら、USDTなどFiatペッグトークンが必要です。現物を売るなら、BTCやETHなど現物を取引所に送る必要があります。

逆に言えば、これらオンチェーン情報を分析すれば、大まかな傾向として、売られるか買われるかを推定することが可能となります。

オンチェーン分析を行っているサイトとして一つだけ紹介しますhttps://cryptoquant.com/overview/btc-exchange-flows

オンチェーン分析についてまとめてある良質なノートとして以下を紹介します。https://note.com/mycrypto/n/nf301b1e53e03

2)BTCの基本知識

ある一面を切り出した説明です(※BTCが生まれた背景や経緯の説明ではありません。そのため思想には深く触れません)

まず、皆さんが使う法定通貨(Fiat / USD, JPYなど)にはインフレターゲットが設定されています。

これは、政府や中央銀行が、市中の通貨量を調節するために、物価上昇率(インフレ率)に一定の数値目標を掲げたものです。

通貨量調節を行う目的は、緩やかなインフレを誘導し、安定した経済成長につなげること。

しかし、インフレが進めば当然お金の価値が減ります。たとえば、昔は一万円で本を2冊買えたのに、インフレによって貨幣価値が半減すれば、同じ一万円でも本が1冊しか買えません。

政府の都合によって価値が低減する法定通貨に対して、「通貨供給を計算力以外の何者にも依らない」通貨が現れました。

ビットコインです。

ビットコインは金銭の動きの履歴が分散台帳に記録され、不特定多数により検証・検閲可能な、スケーラブルかつ耐障害性を備えた通貨です。

計算力により台帳データの不正な改竄を防ぐ仕組みであり、端的に言えば、検証者(※)が適切に分散されている限りにおいて極めて堅牢なデータベースと言えます。

検閲・検証可能なこれらブロックの中には、トランザクション(送金先や送金金額、送金者の電子署名などの取引内容を表現するデータ)や、コンセンサスルール(ブロックチェーンの承認ルール)が記載されています。

※よく勘違いされるのですが、マイニングノードと検証ノードは微妙に異なります。マイニングノードは取引データをブロックにまとめる役割、検証ノードはブロックが正しいかを検証しブロックチェーンに追加する役割を持ちます。

マイナーがブロック承認報酬を得るには、(確率的に正解を得ることができる)計算競争に勝つ必要があります。この計算競争の勝利確率はポアソン分布に従います。

ざっくり言えば、1/1000の確率で1の報酬が得られる計算力のとき、ポアソン分布上の期待値は1/1000×回数ですが、1000回計算しても約63%の確率で報酬を得られません。

そのためほとんどのマイナーは、マイニングプールと呼ばれる共同マイニングに参加して、ナンスを見つける確率を高めて(プール内で貢献度に応じて報酬を分割して)リスク分散を図っています。

ビットコインの思想は、通貨供給・発行を一つの国家が中央政権的に決めてしまうこと(国家の経済政策によって、貨幣の価値が上下させられてしまうこと)へのカウンターからきています。

すなわち、国家の都合によって個人の資産が間接的に変動・搾取されてしまうことから価値を保護するSoV(Store of Value)の方法として、ビットコインは設計されているのです。

現時点において、利便性、保存性、高い換金性、および他アセット価格変動との低い相関性をもつビットコインは、金、土地、債券など他のアセットと比較してもSoVの観点で優秀であると考えられます。

ビットコインの検証ノード(LNノード運用)に興味がある方は、以下の方のツイートを追いかけるといいかもしれません。

Alex Bosworthさん(LN界隈の著名人)

ブロックチェーンのわかりやすい説明は以下の記事がおすすめです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/6/60_412/_html/-char/ja

3)経済の基本知識

ここから金融の観点で説明を行います。

■国債利回りと景気

好景気・不景気という言葉を耳にしたことがあるかと思います。好景気の定義によりますが、経済活動が活発で経済成長があれば、おおむね好景気と考えて大体間違いないと思います。

株式や不動産などに投資家のお金が回る(好景気)か、株式や不動産などから投資家のお金が引き上げられる(不景気)か。

国債利回りは、この景気循環に影響を与えます。

日銀などの中央銀行は、国債買い入れオペレーション(公開市場操作)などで国債利回りを調整します。景気が過熱しているときは国債利回りを引き上げ、景気が停滞しているときは国債利回りを引き下げます。なぜなら、国債利回りが高くなれば株などに回るお金が少なくなるから、と考えてください。

機関投資家は、個人投資家から預かっている巨額の資金を有価証券(株式・債券)等で運用・管理する法人です。(当然インフレ率を上回る)利益を生み出す必要があります。

機関投資家たちのお金が株に回れば、企業の株が買われるので株価が上昇します。逆に機関投資家たちのお金が株から引き揚げられて国債に回ると株価が低下します。

彼ら機関投資家は、国債利回りをみて各種アセットへの投資額とレバリッジを決定します(※1)。

国債利回りが高い場合は、わざわざ(価格変動リスクの高い)株をたくさん買わなくても、元本割れのリスクが少なく、かつ高い利回りを狙うことができる国債を買う、と考えてください。

■金融緩和とテーパリングと景気

よく、FOMCがテーパリングに言及しただのなんだので株クラ界隈が騒いでいると思います。各国の中央銀行の金融政策方針は、株などのリスクアセット(相場の変動で資産価値が変動し、元本が保証されていない資産)の値動きに大きく影響します。

量的緩和とは、中央銀行が、市場に大量に資金を供給する金融緩和政策のことです。

金融緩和の手法は複数ありますが、具体的には、公開市場操作で金融機関から国債を大量に買い入れ、銀行などが日銀に開いている当座預金口座の残高を目標額まで増加させる操作など、があたります。各銀行に融資の積極化や債券などの資産購入を促し、経済の活性化を図るのが金融緩和です。

逆にテーパリングとは、量的緩和策による資産買い入れ額を徐々に減らしていくことです。

過去の話を出します。

2013年5月、当時のFRB(米国連邦準備制度理事会)議長だったバーナンキ議長が、量的緩和の縮小を示唆し、金融市場にインパクトを与えました。テーパータントラムです。株式市場、債券市場、コモディティ市場、新興国市場から資金が流出し、6月20日の1日間で、世界の株式市場でおおよそ1兆ドルの資産が吹き飛んだと言われてます ※2。

……以上は、通常のリスクアセットにおけるお話です。国債利回りや、金融緩和の動向は、景気に大きく影響を与えます。一方でビットコインはどうでしょうか。

現状(2021.5.5現在)、ビットコインの価格変動は他のアセットの価格変動との相関性が薄いと言われています。無関係とまでは言いませんが、景気が良く金余りの時はビットコインも買われて価格が上がり、逆に景気が悪いときはビットコインの価格も下がるのでは? ぐらいに捉えられていると思います。

もし単純に考えて、国債利回りや金融政策の影響を受けるのであれば、「国債利回りが上昇したら値下がり」「金融緩和がテーパリングに向かったら値下がり」といった動きが見られるかもしれません。

今後、ビットコインの法人保有額が大きくなるにつれ、価格変動にどのような影響が出てくるかは注目のしどころだと考えます。

※1 国債利回りが上昇した時、株が売られる理由

企業価値算定手法の代表格にDCF法というものがあります。

  • 企業価値 = FCF / WACC
  • FCF = 営業利益 × (1 - 法人税率) + 減価償却費 - 運転資本増加額 - 設備投資額
  • WACC =(負債利子率と負債価値額、株主資本コストと株式価値の加重平均)

リスクフリーレート(≒10年国債利回り)が上昇するとWACCが増加するので、一般的に企業価値は下がります。これが国債利回りが上昇した時に株が売られる理由の一つです。

また、国債利回りが上昇すると、レバリッジをかけたポートフォリオを組むのが難しくなります。

現代ポートフォリオ理論に基づくと、「高いリターン率を狙えるアセットの組み合わせを選ぶ」「相関性の低いアセットを組み合わせて分散(リスク)を抑える」ことでポートフォリオの効率的フロンティアが得られます。

効率的フロンティアはコンベキシティ(凸性)を持つので、(許容リスク水準まで)レバリッジをかけた接点ポートフォリオは、リスクフリーレート(≒10年国債利回り)の上昇に伴ってレバリッジが低下する方向に移動します。

接点ポートフォリオが変わるためポートフォリオの内訳は変化しますが、大まかにはレバリッジが下がる≒保有しているアセットを処分するということなので、国債利回りが上昇した時には株が売られることになります。

※2 

テーパリング言及により、短期的には調整局面がありました。しかし、雇用環境の改善などが見られた2014年1月から9か月間、米国は実際に量的緩和の購入額を徐々に減らしてテーパリングを始めましたが、米国株は長期的な上昇局面に向かいました。

このように、各国中銀の方針のコメントなどは、短期的には大きな影響を及ぼします(思惑相場)が、長期的なトレンドは複数の要因を加味して検討しないとわかりません。

4)Twitterで参考になる方々

よくあるインフルエンサー紹介になってしまいますが……なるべくそうならないようにちょっと別のところを紹介しようと思います。

※もし削除を希望される方がいらっしゃったらご連絡ください。

■BTCトレード情報

BTC情報アラートさん

Ki Young Ju 주기영さん

SalsaTekilaさん

SBF(アフロ)さん

■経済情報

世界四季報さん

後藤達也(日本経済新聞)さん

大手町のランダムウォーカーさん

Shenさん

Big Daddyさん

tomoさん

ABC Traderさん

Kimonoyaさん

■DeFi関係

@shingen_cryptoさん

mamedaiさん

Gukoさん

■法整備(主にSECの動向)関係

さばCatさん

mineCCさん(本当はマイニングの人)

5)最後に

かなり長くなりました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

巻末には、付録として以下のものを用意しております。

  • 2018-08-20 ~ 2021-04-02までの1hごとの価格変動の統計量
  • 2018-08-20 ~ 2021-04-02までの1日ごとのヒストリカルボラティリティ(各時点で過去30日分で計算)
  • 2018-08-20 ~ 2021-04-02までの1hごとの価格変動率の相関関係のヒートマップ(UTC時刻 00:00で計算)

興味があるかたは、ぜひ有効活用してください。

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