金融商品やトレーダーのパフォーマンスはどのように評価されるべきか

金融商品やトレーダーのパフォーマンスはどのように評価されるべきか

暗号資産、株式市場が活況です。ビットコインやアルトコイン、株式、そしてそれらを取引するトレーダーのパフォーマンスに関する記事が増えています。

しかし中には、ただただそのリターンを手放しに評価するだけで一部眉唾ものとされるものも多数見受けられます。

とはいえこれらの金融商品やトレーダーのパフォーマンスから我々が学ぶべきことは多々あります。

そこで我々は金融商品やトレーダーのパフォーマンスをどのように評価し吸収すべきなのでしょうか。

筆者が考える金融商品やトレーダーの評価方法について書いていきます。

期間を変えて評価する

ある期間のパフォーマンスが別の特定の期間でのパフォーマンスを保証するものではありません。

例えば2021年はETHやBNBなどBTCを大きくアウトパフォームするアルトコインが登場し活況を呈しています。

しかし2018-2020年のほとんどのアルトコインは惨憺たるものでした。

BNBは2021年5月2日時点で大きくBTCをアウトパフォームしたアルトコインの一つですが、2020年12月末時点のBTC建て価格は酷いものでした。

こちらは2020年12月から2021年5月にかけてのBTC建てでのBNBのパフォーマンスです。

こちらは2019年10月ごろから2020年12月にかけてのBTC建てのBNBのチャートです。0.004813から0.001020と最大で約1/4のダウンサイドとなっています。

このとおり、BNBやアルトコインに限らず、金融商品は切り取るタイミングによってパフォーマンスや評価は大きく異なります。

ある特定の期間である特定の金融商品が出したパフォーマンスはそれは紛れもない事実ですが、その特定のパフォーマンス一つとってその金融商品の本質的な評価を行うことはできません。

ほとんどの草コインは一度以上pumpしますが、それを持ってその草コインの将来を期待することはできないのと同じです。

2018年1月のETHやXRPのBTC建てのパフォーマンスを参考に2018-2020年にETHやXRPをロングしたトレーダーのパフォーマンスは厳しいものだったでしょう。

これは金融商品だけでなくトレーダーについても同様で、ある期間で高いパフォーマンスを出したトレーダーが別の期間でも同様に高いパフォーマンスを維持しているかはまったく別問題です。

ある特定期間のパフォーマンスだけを見てその金融商品やトレーダーに飛びつくのでなく、期間を変える、伸ばす、短くするなど視点を変えて評価することが必要です。

他の金融商品やトレーダーと比較し評価する

ある特定の期間である金融商品やトレーダーが100%のパフォーマンスを出していても、同じ期間に200%のパフォーマンスの金融商品やトレーダーがいれば、その金融商品やトレーダーの評価は変わり得るでしょう。

例えば同じ期間でBTCが100%のパフォーマンスでもETHが200%のパフォーマンスならBTCの評価は変わり得ます。

同様に、市場平均が8%のパフォーマンス時に30%のパフォーマンスのファンドAがあればこのファンドは評価されるでしょうが、同じ期間に40%パフォーマンスのファンドBが別である場合、ファンドAの評価はファンドBがある場合とない場合では同じではありません。

ある特定の期間でもその他の金融商品やトレーダーと比較してどうか、という視点でも評価する必要があります。

リスク対比で評価する

息を呑むようなパフォーマンスであっても、それは単に同程度の大きなリスクを取ったが故のパフォーマンスである可能性があります。大きなリスクを取りそのリスクプレミアムとして大きなリターンを得られるのは当然です。本質的に評価されるべきはリターンのパーセンテージや絶対額だけではなくリスク対比のリターンであるべきです。

1万円のダウンサイドを元に100万円のリターンを出したトレードと、100万円のダウンサイドを元に100万円のリターンを出したトレードは同じ評価ではありません。

例えば、XRPがBTCをアウトパフォームした事例が紹介されることがありますが、BTCとXRPでは同じ100万円を投下しても背負うリスクは同じではありませんので、期待されるリターンも同じではありません。

現状のファンダメンタルから考えると、BTCでなくXRPにロングするのであればBTC以上のリターンが期待されるべきです。そのためXRPがBTCをアウトパフォームしたそれだけではXRPにロングすべきだったという評価はできません。

パフォーマンスはそのパーセンテージや絶対額だけでなく、それを得るためにどの程度のリスクを払ったのかを合わせて見るべきです。

同じパフォーマンスであればとったリスクは小さければ小さいほうがそれはよいトレードです。

再現性で評価する

どれだけ早く移動する飛行機であっても墜落する可能性が十分にあればそれは良い飛行機とは言えない、とはニコラス・タレブの言葉です。

どれだけ目覚ましいパフォーマンスを出していてもそれが再現性のない、例えば丁半博打のようなトレードであれば、評価されるべきではないでしょう。あるトレードの本質的な評価を行いたいのであれば、そのトレードを裏付ける経緯、根拠を見る必要があります。

根拠のないレバレッジ100倍のトレードを繰り返せば一時的に莫大なパフォーマンスを出す可能性もありますが、それは同様に再現性のない破滅的なリスクをも背負っています。

驚異的なパフォーマンスを出していたにも関わらず破産し退場したトレーダーは数知れません。

わかりやすいパフォーマンスだけで飛びついてそのトレーダーを盲信するのでなく、そのトレードに至った経緯や根拠を十分に評価しましょう。

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