
おとなのわがままとこどもの理性 家庭にて理性で勉強を教えられるか?
はじめに
こどものペースにまきこまれてしまい、つい感情的になってしまう経験者は多いだろう。
この無邪気かつ小悪魔的存在に対峙し、いかにして大人の体面をたもちつつ理性でもって教えられるか。この乗り越え難き課題に立ち向かい、その果てにたどりついた先には…。
おとなとこどものあいだでは
クレヨンしんちゃんを読む(もしくは視聴する)とわかるが、しんのすけはなかなかのくせ者。自分のペースを見失わない。ああいえばこういう。負けをみとめずこども相手にむきになるみさえとのあいだのバトルはみものだ。
これはあくまでも「他人事」なので笑って済ませられる。でも、わたしんちで勉強を教えるとなったらどうだろう。脳裏をかすめるととたんに事態の深刻さの度合いが増す。
ここに、夏休みにひろげられるだけ羽を伸ばしてもどらなくなった小学2年生A君がいるとしよう。ときは夏休みが落日をむかえようとする8月30日。彼の宿題帳は全ページの5分の3が埋まるほど。
おとなのわがままとこどもの理性
昨年の反省から感想文、日記と自由研究については、休みのこれまでの30日あまりを費やし彼を叱咤激励、ほうびでさそう手段を駆使しつつ、保護者の懸命の労苦によりなんとかなった。
あとはこの宿題帳を残すのみという状況下にある。しかし思いとは裏腹に彼の手にするえんぴつはいっこうにうごかない。
この段階で、保護者は工程表をあたまのなかで描く。ーなんとか9月1日の提出しめきりには間に合うだろうー。と、おとなは職場仕事のようにあてはめ、あらぬ算段をする。
これがじつに危ういおとなのわがまま。先ほど申し上げたようにこどもは魔物。おとなに対して状況を察すれば、あまのじゃく的様相を呈する。したがって、老獪な(と自らは思い込んでいる)おとなは隠し持った札を小出しにする。
親をだんだん卑下しないか
「はやく終わったら、Bちゃん(いとこ9歳)ちに行こうか?」とかである。
だがそこはA君、「Bちゃんも宿題があるってよ。」と、きのう電話で聞いたとおりを冷徹に伝える。ーそうか、しまったー(おとなのひとりごと)。
このやりとりは永遠につづきそうなのでこのぐらいにして、場面のポイントをもう一度ふりかえろう。
家庭でスムーズにすすめるには(Q&A)
なぜ、A君はえんぴつをもったままフリーズしているのか着目してみよう。わかっていない。なにをどう解けばよいのか。彼はそこではた…とこおりついている。
Q1:ご家庭で保護者が勉強をすすめていくには?
A:どこがわからないか保護者が見極める。こどもは、自分がどうしてわからないか説明することが容易でないから。
したがって保護者が、どこがわからなくて(かん違いしていて)できていないのか把握からはじめる。ここで「どうしてわからないの。」は禁句。こたえようがない。
Q2:わからない部分を見つけるポイントは?
A:こどもが問題を解く過程をよくみる。たいていその途上に、わからない理由が内包されている。(先生は経験にもとづきわからない部分に先回り、回避しつつ教えるが。)
多くの場合、ことばだけで説明すると遠回りになりやすい。これやりがち。しかもおとなのことばで。教科書をひっぱりだしつつ、絵や図を書こう。
Q3:説明をわかってくれないようだが?
A:おとなが教科書とちがう言葉や手順で説明すると、とたんにわからなくなる。あくまでもこどもは言葉に関して発展の途上である。
くわえて正解にいたる流れが、こどもの頭の中に描けているか確認する。その把握は難しいかもしれないが、こどもなりの説明で解までたどりつければいい。流れをお子さんが理解して正解を導き出せていれば良し。
ほめておわろう
こどもなりの説明がたどたどしくてかまわない。おとなのようには流ちょうには説明できなくて当然。それを学んでいるわけだから。
こどものことばで、自分でその流れをつかめれば解けなかった問題を解けるはず。それが自分のことばで消化できている状態だ。
こどもがにっこりすれば成功。そしてさいごはかならず、ほめて終わろう。
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