手元に集められた数奇な石のひとつ ③ネフライトについて調べた

手元に集められた数奇な石のひとつ ③ネフライトについて調べた

はじめに

 さまざまな素性を知らぬ鉱石についてネットで情報を探すシリーズ第3段。ネット情報の真偽とこわさを知らぬまま、しごとの合間にまとめてみた。

ただひとつの取り決めはウィキペディアを用いないこと。あえて目隠ししながら「鬼さんこちら」という状態に自分を置いてみる。

くりかえしになるが「鉱物」、「鉱石」、そして「石」の語をあいまいに使っている。調査結果には責任が持てないので要注意。

淡緑色の鉱石

 手元に集まった石たち。30種あまりのなかから見知らぬものを中心に調べていく。いまだ手ごろな岩石図鑑を所持していないため、前回同様ネットに頼ることに。今回はネフライト。どこかやわらかさを感じる語感で蠟のような光沢を呈するが、手にした感じはじつに硬そう。

撮影時にもその硬さを表現できないか試行錯誤した。淡い緑色からは鉱物収集の醍醐味をじゅうぶんに感じさせてくれる味わい深さがある。なんのことかよくわからない表現かもしれないが、手のなかでころがすと「わたしは石である」と明確に主張してくる。

この石に関してネットを手がかりにしてわかる範囲で調べた。これまでの2回とくらべてこのネフライト、なぜか検索の上位に現れてこない。なぜだろうとみると、どうやらこの語を冠したプロゲーマーがいるらしい。彼の登場するYoutubeなどの動画サイトがずらりとならぶ。

独特な名前は…

 それはさておき鉱物のネフライト。和名では軟玉(なんぎょく、nephrite)。中学校で習う角閃石の一種の緑閃石(りょくせんせき、actinolite、アクチノライト)や、透閃石(とうせんせき、tremolite、トレモライト) の微細な結晶の集まりらしい。

ここでネフライトをかたちづくる緑閃石透閃石について。両者のちがいは成分のFe(鉄)の含量の差だそうだ。Feをほとんど含まないものが透閃石。緑閃石は透緑閃石、アクチノ閃石、陽起石とも呼ばれ、さまざまあるので検索で迷った。微妙な成分の違いで色味や形状、透明か否かが異なる。なかなか微妙。

この軟玉に対して硬玉(こうぎょく、ヒスイ輝石、Jadeitite、ジェディタイト) がある。こちらはヒスイ輝石(ひすいきせき)の結晶の集まりからなる。硬玉の示す硬度(6.5~7.0)はあきらかに硬玉(6.0~6.5)よりも高い。

1, 2回目と同様、検索すると宝石や原石の販売サイトがめだつ。原石は手におさまるほどで数百円~数千円ほど。玉とつくが観賞用ではない鉱石のかけらなのでこのぐらいが関の山かも。

独特な色と感触は…

 どうやら色の違いは、鉄(Fe)とマグネシウム(Mg)の比率のちがいにあるようだ。

透閃石はCa2(Mg, Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=1.0-0.9)数字は下つき。

緑閃石はCa2(Mg, Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=0.5-0.9)数字は下つき。

まちがいさがしのようだけれど、いずれも化学的にはとても類似している。結局、化学式のうしろに示すようにFeの含量のちがいがある。

そして、さまざまな模様、独特な乳白色。結晶の細かさや繊維の方向で見え方が違うようで、調べていてもきりがなく奥が深い。

繊維が細かくほぐれやすいAsbestiformのものが石綿として以前は大量に輸入され工業用途で使われたが、ご存じのとおり現在では用いられていない(1)。通常、鉱物の硬く締まった原石で持つ分には影響はないようだ。ただし磨くなどする際にはしっかり防塵マスクや集塵装置を備えるなど注意と対策が必要。

分類を調べてみると

 分類上の位置づけを岩石鉱物詳細図鑑(2)に基づいて大分類から順に行う。

ネフライトは、

10種ほどある化学組成にもとづく分類では、ケイ酸塩鉱物

6種あるケイ酸塩鉱物のうち、イノ珪酸塩鉱物

3種ほどあるイノ珪酸塩鉱物のうち角閃石グループ

2種の角閃石グループのうち単斜角閃石

4種の単斜角閃石のうち緑閃石透閃石

とたどれた。このサイトはほぼまちがいなく、キーワードがつかめると分類ができそう。実物の未知の鉱石の見わけ方がかぎになりそう。

国内では

 ネフライトについては産業としては国内で採掘していないようだ。手持ちの石は中国産。糸魚川周辺などでは趣味で収集する程度ならば海岸などにみられるのは検索結果からあきらか。収集禁止場所には注意を。

おわりに

 前回よりも検索の難易度が高かった。名称でとまどうことが多い。検索を重ねてキーワードの理解が進みはじめると、氷解して実体がつかめてくる。

やはり「岩石鉱物詳細図鑑」などの専門家のサイトの助けがまちがいなく必要。図鑑選びを真剣にやらないと。

参考としたサイト

(1)環境省 https://www.env.go.jp/air/asbestos/litter_ctrl/manual_td_1403/chpt1.pdf 

(2)岩石鉱物詳細https://spotlight.soy/detail?article_id=ktiypccer図鑑 https://planet-scope.info/rocks/minerals/pyroxene.html

planetscope(https://planet-scope.info/index.html)のひとつのカテゴリ。沢田輝氏(海洋研究開発機構JAMSTEC研究員)運営。

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