やさいづくり:手あたりしだいの読書と畑しごとでわかったこと

やさいづくり:手あたりしだいの読書と畑しごとでわかったこと

はじめに

 身近に手に取ることのできる100冊あまりのやさいづくりの本を読みつつ、7年間にわたり中山間地のはたけでやさいづくりをこころみてきた結果、当該地区で畑をつづけることの意味についておぼろげに見えてきたことを示します。

やろうとしたこと、やってきたこと

 本業をもちつつ、多い年には実質的に第2種兼業農家になるほど、やさいづくりと販売をおこなってきました。もちろん、やさいをつくるにはある程度、基本的な技術を知ったうえで実践したほうが効率よくつくれるでしょう。

 人に教わるのが早道ではありますが、つてを頼りにとはじめると寿命が尽きてしまいそうで、さまざまな本をさがし出すことから着手。

まずは慣行栽培について図書館で棚の端から読みながら、つくってたしかめのくりかえし。さらにどうせやるならばと有機栽培や無農薬栽培の試み。

いいなあと共感できる本を購入し、紙がやわらかくなるまでくり返し目をとおすと、記憶力の弱いわたしでも、さすがに大根とにんじんのつくり方のちがいぐらいはわかりました。

もちろん講習会などには積極的に参加しつつ、7年かけて100種ほどのやさいづくりをつうじて、意識せずとも作業できるようになれたと感じます。

気づいたこと

 いろいろな本を読みくらべると、じつにさまざまなつくりかたがあるものだと感心するほど。人の数だけ農法があるのではと感じました。科学的な知識を補強しようと、農事試験場の研究報告や原著論文にも目を通しています(一応、農学の博士号をもちます)が、やはりおなじ感想です。

結局、時期や土地によりそれぞれの作物の生育の状況を観察しながら、臨機応変に適切な世話をする必要があるとようやく気づけました。それはどの農法をとおしても感じられ、近所の方から耳にした「足あとの多い畑はみのりが多い。」というのはそれをあらわしていると納得できました。

日々の天気情報を気にするようになれたら一歩前進、さらにその情報からあす以降、畑の作物にすべきことは何かわかってくると、もう一歩のような気がします。

そして、古くから地元でつくられてきた品種のやさいが、やはりつくりやすいとわかりました。どれも病気に強く、多少の気候のちがいにも適応してそだちます。どれも病気に強く、多少の気候のちがいをもろともしないです。

結論めいたこと

 したがって、以下の①~④が頭の中にあり、自然に対してもっと謙虚になろうと思います。

①本はあくまでも一般論で書かれていること

 実践してみると、本のとおりにできることもあるが、むしろそれ以外の要因がやさいのできには影響しやすい。

②草とりに時間と手間をとられること(ここがいちばんたいへん)

 畑を除草剤や耕運機なしに維持しようとすると草取りに時間の多くを使います。わたしはいずれも使わず、7アールほどのはたけを手作業(家族のたすけもかりつつ)、周囲のあぜは音の小さい電動の草刈り機でおこなっています。ひととおり終わると、最初のところの草が伸びています。

夏場を中心に2週間ごとに草とりと草刈りに追われます。早朝に水分の補給、熱中症に気をつけつつ、蚊やブヨでいつも顔を腫らしています。きれいにとっても人とちがうやり方をするとなると、一定の体力と時間が必要でしょう。もちろん草マルチ併用でも手間はさほどかわりません。

作業をつづけていると草とりの手間がすくなくなるとの記載の本もありますが、ていねいに(草)マルチをしないかぎり、のちの草とりを維持しないと数か月で草地にもどるようです。

③さまざまなことに見舞われること 

 その日やろうとしたことを頭に描いて畑に向かうと、たいてい予期しないことに見舞われます。多いのが動物害で、2重のネットで畑を囲っても収穫間際で全滅ありです。おかげで打たれ強くなれました。

最近の季節外れの大風や大雨で支持物がたおれて補修したり、やわらかくほぐした土の表面がかたまり、鍬による中耕をくりかえしたりします。(こちらも草マルチがよさそう)

④豊作はかならずしも幸運をもたらさないこと

・豊作は気候にめぐまれた結果なので販売所でも重なり、値がつきにくい(売れにくい)。

・いちどきの収穫で料理と保蔵の段取りを心得ておかないと、その処理に追われる。

・近所に配ろうにも限界集落に近く人がすくない。たいていその家もつくっている。

おわりに

鈍感なわたしでも気づいた上記の点は、多くの山間地で起こりえると思います。

ただし現在はコロナの状況下で、搬入先の混雑する販売所のバックヤードへの出入りがはばかられるため、やさいづくりを休んでいます。

コロナ後に向けて、荒れつつある畑をどう維持しようかと考えあぐねています。つくづく先人の苦労に頭が下がる思いです。

関連する記事

アボカド(👆これは種子です)を蒔いてみた:気長な顛末記

Remaining : 0 characters / 0 images
100

Sign up / Continue after login

Campaign

Related stories

Writer

桃の実につく害虫

Share

Popular stories

NFT上のアートなるものの価値についての深夜のつぶやき

68

数学を「わかる」にするには:てがかりとなる4つの手順

55

だれもいない山は腐葉土にあふれている

54