モナコインの盟友 Vertcoinが突然の高騰
皆様はVertcoin($VTC)という暗号通貨をご存じでしょうか。
2014年に誕生、ライトコイン系のコンセプトでヨーロッパ発、プレマインなしの由緒正しいPOWコインです。
ライトコインとの最大の違いはASIC耐性を基礎に掲げていることで、ASICが開発されたら即座にハードフォークしてアルゴリズムを変更します。
巨大マイニング工場を憎み、だれでもマイニングできるGPUマイニングを理想としています。
歴史のあるコインなのですが、開発がコミュニティの寄付で成り立っているので資金がなくて、大手取引所になかなか上場してもらえず、コミュニティがVertbaseというfiatで購入できる取引所を自作したりしていましたが今確認したらなくなっていました。
トレードの中心はbittrexだったと思います。
特徴を列挙すると
・ライトコイン系
・発行上限あり
・POW
・プレマインなしの非中央集権
・元はアルゴリズムにLyra2REv2を採用
・BTCに先駆けてSegwitを導入
・開発に金がないんで大手取引所には上場してもらえず
・コミュニティの努力で成り立っている。
ということで、モナコインと似ていると思います。
単に似ているだけではなく、確かVertcoinの開発者からマージマイニングを提案されたこともあったかなと思います。ググってもソースみつかんなかったけど。最近のGoogle検索は昔の記事が何も見つからん。
モナコインマイニング関連の情報を調べているときはよくvertcoinの名前を目にした気がします。
そんなvertcoinでしたが、2017年の最初の半減期の時は英語圏(多分ヨーロッパ系)のTwitterでえらい煽られていました。
当時のTwitterで見飽きるほど張られていた布教用のポスター
$VTCは2014年からの歴史があり、フェアなディストリビューションで、開発者も無償で、最新技術が導入されてて、ワンクリックマイナーという簡単にマイニングできるソフトがあるよ、みたいなことが書かれています。
価格は2017年初頭の3円から2017年の12月で1000円まで高騰。大盛り上がりでしたが、Binanceに上場していないこともあってか年明けからは他のアルトが大盛り上がりな中で一足先にだる下がりしていきました。
相場と一緒に冷えていくコミュニティ
そして、ここもモナコインに似ているのですが、51%アタックを食らいました。それも数回。
いくらコミュニティが強かろうと由緒正しかろうと、ハッシュレートというシステムの要が脆弱だとこうなってしまうのかと残念に思った記憶があります。
モナコインはBlock Withholding attackを受け、最終的にはASICを受け入れる形となりましたが、
vertcoinはASIC耐性を捨てずに数回ハードフォークして、現在はVerthashというオリジナルのアルゴリズムを作成したようです。
ここに来て、よく似ていたモナコインとVertcoinは違う道を行くことになったわけです。
ともあれ、価格の下落とともにコミュニティの熱は冷めていきました。
さて、なぜこんな記事を書くかというとこのVertcoinが2日前から妙に高騰しているからです。
pumpの原因は不明。大手取引所に上場するという噂もありますが、単に価格の上昇から推測されているだけのようです。取引高の少ないコインなので、仮に上場するとしたらインパクトは大きいと思います。上場に向けて仕込まれるだけでも価格的な影響は大きいんじゃないかな。
私はモナコインの未来(投資的な意味でね。)には悲観的なのですが、いくらPOW暗号通貨として正統だろうと開発者が無償で頑張ろうと狭い地域コミュニティの努力だけじゃどうにもならないものがあるということをVertcoinから学んだからです。
世界的な広がりがないと暗号通貨は厳しいと思ってます。
ですがまあ、もし今後Vertcoinが盛り返すことがあれば連想的にモナコインが見直されることもあるかもしれません。
ちなみに日本にもVertcoinの愛好家はいて、私はその人からTwitterで存在を教えてもらいましたが、検索してもみつかりません。退場してないといいなあ。
ちなみにTrezorにもLedgerにもウォレットが対応しているので口座もってる人なら入手するのは難しくないと思います。