撲滅させたい:わたしたち世代がカギを握るもうひとつのウイルス病

撲滅させたい:わたしたち世代がカギを握るもうひとつのウイルス病

はじめに

 ほぼ新人類~バブル世代~就職氷河期世代~団塊ジュニア世代の年代(16年間ほど)の男性に関係するおはなしです。疾病に関する内容を含みますので、情報元を明示しながらお伝えします。

じつはこの年代の男性が中心にある病気の感染を広げかねない状態がつづいています。これはパートナーだけでなく、これから生まれるこどもたちへの影響も考えられます。

今回わたしにも市区町村からの抗体検査、予防接種のクーポンが届いたことをきっかけに記事にしました。

風疹の予防接種のすきま世代

 それは風疹(3日はしか)です。トガウイルス科に属する風疹ウイルス感染で起こります。この省のHPにそのいきさつがまとめられています。いま注目の省庁ですが、あわただしい中でこんなことも並行してやっています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html

すこし前の記事ですが、ヤフーニュースの彼の病でおなじみの医師がわかりやすくアナウンスされています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20191103-00149410/

*(追記)コロナの影響で、本プロジェクトの実施時期などの延長や変更などがありますので、ご注意ください。

かいつまんで説明すると…

 昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の方は、公的機関において乳幼児期~青年期に行われる予防接種のうち、風疹を受けていなかった年代です。当時は女性が優先の課題でした。

ところがのちにこの年代で風疹への免疫がない方(つまりじゅうぶんな抗体をもっていないままの方)が多いことが判明しています。今後の流行や感染者を減らすため、免疫をもっている方の割合がもっとも低いこの世代が標的になりました。

もちろん小さなうちに風疹にかかり、そのまま抗体を持ち続けている方もいるはず。その方との区別はどうするのでしょう。

抗体検査と予防接種

 そこでこの年代の男性たちに、風疹の抗体検査ならびに抗体陰性の方への予防接種を無料で受けられるクーポンが、各自治体経由で送られてくる段取りになりました。

したがってすでに一連の行動がお済みの方もいらっしゃるはず。

対象者が多いので、年度ごとにわけて自治体(市町村)べつに実施されます。年代ごとに2019~2021年にかけて順次、市区町村からクーポン券が送付されつつあります(わたしにも昨日送付されました)。もちろん抗体検査陰性、予防接種とすすんでも基本的にクーポンを使えば無料です。

今年も昨年受けていない方(コロナで急遽延長)と残りの方が対象です。注意したいのは全国4万か所の医療機関(診療所)で受けられる実施の期限が来年度はじめまでです(こちらもコロナの影響で変わる可能性があるので、必ず確かめてください)。

なぜ接種が求められているのか

 感染・発病して風疹ウイルスを広め、流行や感染者を増やしてしまうおそれがあるためです。風疹にかかり、妊婦へ感染させるとどうなるでしょう。妊娠初期の4か月間内で感染すると胎児がリスクを負います。胎児は胎盤を通じて感染し、心臓、目、耳などに重篤な障害(先天性風疹症候群)が出たり、死産、流産になったりするおそれがあります。

国内ではここ数年で2,000~3000名ほどの感染者がみられます(年でばらつきがあります)。2012~2013年には約17,000人が感染、関東を中心の流行でした。国立感染症研究所の調査によると男性 76%、このうち 30-50 代が 65%とじつに半数近くがこの年代の男性たちです。

先天性風疹症候群の対策として、将来妊娠するかもしれない同年代の女性たちは昭和52年以降、中学生の時に定期接種を受けています。

上記のように今回対象になっている世代の男性たちが、もっとも免疫を持っていないことが判明しました。そこで2021年度末までに対象世代の男性の抗体保有率を90%に引き上げる との目標で国が対策に乗り出しました。

おわりに

 ほかの疾病の定期予防接種は幼少期にほとんど行われたきりで、しかも保護者と同伴だったり、学校集団接種だったりで本人はピンときにくいもの。したがってそれほど重要なことなのかわかりにくいかもしれません。

しかし対策しないまま感染してしまうと、将来のこどもたちに重い症状を起こす原因となってしまうならばどうでしょう。もちろん接種にともなう副反応などのリスクは他の接種同様にあるといわれています。

リスクとベネフィットをいま一度くらべて、未来を託すこどもたちへの責任としてどう行動すべきか考えたいものです。

追記

 その後、病院で受けた抗体検査(血液検査)の結果が出ました。わたしは陽性でした。十分な抗体がありました。10歳ごろに一度罹った覚えがあって、その後に抗体が維持できているかどうかわからなかったので、今回検査を受けました。安心しました。

参考図書

ブラック微生物学 第3版, Jacquelyn.G.Black,丸善(2016)

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