手元に集められた数奇な石のひとつ ⑧アマゾナイトについて調べた

手元に集められた数奇な石のひとつ ⑧アマゾナイトについて調べた

はじめに

 すでに石について8つめの記事を書くことになる。素性を知らぬままになっている鉱石のもっぱら科学的な情報を見つけることを目標にしている。したがってパワーストーンなどの知識を増やしたい方への内容ではない。

ただひとつの決めているのはウィキペディアを用いないで調べること。この便利な事典なみの情報をきらっているわけではなく、ネット上でほぼ確かな科学的な情報を集められるかを試している。

くりかえしになるが記事中では「鉱物」、「鉱石」、そして「石」の語をあいまいなままに使っている。もちろん調査結果には責任が持てないので夏休みの宿題などには使えないので要注意。

青緑色の鉱石

 きょうも「えぃ。」とひとつの石を取り出した。いつも紙包みなので開けてみるまでどんな石なのかわからない。今日は青緑色だった。なんとも不思議な模様。今回はアマゾナイト。ふんふん、南米産かな、と思いきやラベルを確認するとロシア産とのこと。これはいわくありげ。手にした感じはじつに硬そう。

いつも自然光で撮影しているが、今日はたまたま直射日光(そういえば梅雨の最中で久しぶり)の下、鮮やかな青みがかった色合が見てとれる。見方によっては青みが強く、模様は川の流れを彷彿とさせる。

鮮明な青緑色からはこの鉱物コレクションがただならぬものでありそうな気配を漂わせていると勝手に思ってしまった。これだけさまざまな色合いがたかが石(失礼)にあるものなのかとあらためて気づかされる。

日頃見慣れている畑や家のまわりの石とくらべると、それほど変わった石ばかり。この石に関しては先ほども書いたが、アマゾナイトといかにも石の産する場所を暗示するかのような名称。しかもロシア産。なぞが多い。

独特な名前は…

 それはさておき鉱物のアマゾナイト。和名では天河石(てんがせき amazonite、アマゾナイト) 。微斜長石(びしゃちょうせき、microcline、マイクロクリン) の1種らしい。

微量だが成分にPb(鉛)をもつことでこの色合いが出るとのこと。ネットを検索すると、手もとの石の模様とよく似た標本が見つかる。たしかに、ブログサイト「奇跡の石ころ」には各地域産のアマゾナイトを紹介している(1)。わたしの手持ちの標本には明確にこのサイトのロシア産の石と類似の模様が出ている。

このブログの著者によると最近では大きな鉱石は入手をしづらいとのこと(記事の書かれたのは2015年)。

独特な色と感触は…

 じつは、この天河石の色の発色の原理はまだ議論の余地があるようだ。上述のように微量含まれる鉛や結晶中に含まれる水の含量などに由来するものらしい。ニューオリンズ大学とスミソニアン博物館の英語の論文から一部を引用すると、

「青緑色が長石中の少量の鉛と水に起因することを示唆している。アマゾナイトの可変でありながら特徴的な色は、含まれる鉛の量と(鉛の)原子価状態に起因すると考えられる。」(2)

と記述(もとは英文)している。 こののちの未発表のデータによると、鉛との相関などにはまだ議論の余地がありそうだ。

分類を調べてみると

 分類上の位置づけを岩石鉱物詳細図鑑(2)に基づいて大分類から順に行う。

アマゾナイト微斜長石としては、

10種ほどある化学組成にもとづく分類では、ケイ酸塩鉱物

6種あるケイ酸塩鉱物のうち、テクトケイ酸塩鉱物

3種ほどあるテクトケイ酸塩鉱物 のうち長石グループ

2種の長石グループのうちアルカリ長

4種のアルカリ長のうち微斜長石

とたどれた。

国内では

 アマゾナイトについては産業としては国内で採掘していないようだ。手持ちの石はロシア産。

微斜長石では岐阜県産などのものを散見するが、手持ちのロシア産のような色合いや模様のあるものはわたしが短時間検索した中では見当たらないようだ。

おわりに

 前回なみに検索の難易度が高かった。やはり通称名でとまどうことが多い。ただしスミソニアンの研究者はアマゾナイト(amazonite )の言葉を論文表題中に用いている。日本の学術用語としてはどうかははっきりしない。

やはり「岩石鉱物詳細図鑑」などの専門家の記載する名称と、サイトでの用語の照合がまちがいなく必要になる。

参考としたサイト・文献 

(1)「奇跡の石ころ」長石かたり(前編)http://blog.livedoor.jp/ishikoro46/archives/1047980504.html

(2)Hoffmeister, A. M. & G. R. Rossman, 1985, A spectroscopic study of irradiation coloring of amazonite; structurally hydrous, Pb-bearing feldspar. American Mineralogist, Bd. 70, S. 794–804. Hogarth 1977 Hogarth, D.D.

(3)岩石鉱物詳細https://spotlight.soy/detail?article_id=ktiypccer図鑑 https://planet-scope.info/rocks/minerals/pyroxene.html

planetscope(https://planet-scope.info/index.html)のひとつのカテゴリ。沢田輝氏(海洋研究開発機構JAMSTEC研究員)運営。

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