インフレ気味になったときに、今の日銀に金融引き締めができない理由

インフレ気味になったときに、今の日銀に金融引き締めができない理由

まず、金融が引き締しまる仕組みを簡単に書いてから、
なぜ、その引き締め方法ができないのか説明します。

 

まず日銀の金融引き締めには3種類あります。

一つ目は、日銀から普通銀行への貸し出し金利を上げることです。

二つ目は、普通銀行が日銀に預けている日銀当座預金に付利することです。

三つ目は、日銀が保持する国債を売却することです。

 

一つ目の、日銀から普通銀行への貸し出し金利を上げる方法は
日銀からの金利が高くなると、日銀から借りずに、普通銀行同士で借りようとします。
すると銀行同士でお金を借りる需要があがり金利が上がります。銀行同士ですらその金利なのに、それ以下の金利で民間に貸したくないので民間貸し出しの金利も上がります。そして民間は、資金を借りにくくなり、経済活動が抑制されて、景気の過熱が抑えられます。また、これに伴って、物価に押し下げ圧力が働くことになります。

これが今はできません。なぜならば日銀の量的緩和で銀行にお金がたくさんあるからです。
正確には日銀当座預金(ベースマネー)がたくさんあるからです。全銀行あわせて400兆円くらいあるそうです。昔は4兆円くらいでした。たくさんあるので日銀に借りる必要がないので上記の引き締めは使えません。

 

二つ目の、普通銀行が日銀に預けている日銀当座預金に付利する方法は
付利すると日銀当座預金に預けていれば、それだけの金利がもらえるので、それ以下の金利では民間に貸し出さないはずです。

これもできません。日銀は民間銀行に付利するためのいわば、収入を見つけてこなければなりません。日銀の収入はバランスシートの資産側にある国債金利しかありません。その保有国債の平均利回りがなんと0.3%くらいなのです。日銀当座預金は量的緩和で大量にあるのでもしも金利を1%に引き上げたいなら年間2.2兆円の赤字です。日銀は準備金を増強してそれに耐えようとしていますが、2017年3月末時点で、準備金は8.1兆円しかありません。
日銀は一応、民間銀行なので、4年弱で倒産してしまいます。

 

三つ目は、日銀が保持する国債を売却することですが、国債を売却することで直接、紙幣を市中から回収することができます。日銀が普通銀行に国債を売り、その代金を普通銀行から日銀に支払われることによって市中通貨量が減少します。また銀行は手持ち資金が少なくなって「高い金利でないとお金を貸せない」という状態になるため、金利が上昇します。

昔、こういうことがありました。当時の大蔵省が年間国債発行額の20%を購入していて
購入するのをやめるという話が流れたとき長期金利が0.8%から2.4%まで急騰したらしいのです。そこで大蔵省は買い入れの継続を発表して事態は収まりました。買い入れの継続を発表しなければもっと金利が上がってたと言われています。当時は最悪、日銀が最後の砦として買い取ってくれるという雰囲気があってこれだけ長期金利が急騰しました。今の日銀は全国債発行額の約50%を購入しており、さらに毎年約10%新規国債を買い増しています(3,4年前は80%買い増していました)。まず、長期金利が0.3%以上になると持っている国債の価値が下がるので日銀は債務超過を起こします。そもそも、日銀の国債購入は政府が増えすぎた社会保障のためのお金の調達ができないので(僕はそう思っています)、代わりに日銀が買っている(量的緩和)のに、国債を売却するとなれば、さらに国債の買い手がいなくなり、政府がデフォルトしてしまいます。

各数字、言葉などはうる覚えですが、だいたいこんな感じだと思います。

 

以上三つ説明しました。

インフレ気味になってきたとき、日銀にはブレーキがないというお話でした。ハイパーインフレなるかならないかは置いておいて藤巻健史さんの本は読んだほうがいいと思います。今、日銀が陥っているジレンマみたいなものがわかると思います。後の細かい話も載っています(日銀当座預金の準備率上げればいい説など)。ちなみに自分が読んだ本は「異次元緩和に出口なし!日銀危機に備えよ」という本です。

下記のサイトも理解促進にいいかも

「日銀の財務悪化への対処法~~誰が損失を負担するか」(https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/column/archives/yamamoto/column/column_170508.html)

文章終わりです。ありがとうございました!

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