郊外でくらす:ごくふつうのきょう1日をふり返って

郊外でくらす:ごくふつうのきょう1日をふり返って

はじめに

 都会に通勤する束縛がなくなりつつあるいま、地方に住む声がちらほら。果たして郊外の地面近くのくらしとは。直近のスーパーマーケットまで片道7kmの郊外に暮らすいまの生活をふりかえりつつ、なにも特別なことのないきょう1日を記す。

家から出ない

 家からとことん出なくなっている。もともと出不精な性格な上にはやり病もあり、人に極力会わない生活が久しいものになった。仕事で車を使い出先の街なかのいくつかの建物をめぐり、ふたり以下の数の生徒たちと過ごす仕事。その行き帰りに食料を大急ぎで買い込む。

以前は1か所の拠点で生徒たちを集中させていたが、今となってはwebを入れると5か所。生徒が動くよりも自分がうろちょろするほうがリスクを減らせるとわかり、昨年の自粛期間からはじめた生活だ。

そんな日々をくり返しているとあっという間に1週間が過ぎる。この生活がはじまりちょうど1年、ふりかえりたくなった。ほかの仕事はすべてリモート。お相手は都会や街の方が多い。

したがっていよいよ家から出なくなった。

夕方のおかずには…

 先週をふりかえると、それ以外の外出といえば家の玄関から庭に出たくらいだ。本日もそんな調子。さて、シジュウカラの鳴き声を耳にしつつ夕ごはんに何をつくろうかと見わたすと、そういえば先週以来、庭の川ごしのやぶ(自分ちの土地)にたけのこが生えだしている。そうだった、そうだったと思い出してむかう。

予想どおりタケノコを1本ゲット。ちょうど食べごろサイズ、山クワは使わずななめに倒しながらもぎとる。自分で食べるぶんには体裁など気にしない。どうせ3分後にはお湯の中。新鮮なのでめんどうなアク抜きなどせずとも食べられる。

ついでにどっかに里芋が生えていたはずだけどと、庭の隅をスコップでつついてみる。芋は見つからない。はては霜でやられたか。じゃがいもしか出てこなかった。里芋とタケノコの煮物のあてがはずれた。

若いミツバが家の西がわ軒下に生えているので摘み取る。このあいだツワブキの新芽をとったすぐ横だ。この煮物に添えよう。敷地内の勝手に生えたものでおかずはなんとかなった。

洋楽のラジオを聞きながら台所に立つ。あてがはずれた里芋がわりにローリングストックのこんにゃくと昆布にとりたてのタケノコをたんたんと切って煮る。コトコト音をたてる鍋からよい香りがしてくる。

畑をつくっていない

 はやり病の蔓延で野菜を販売所に提供する仕事はストップ。この1年出入りしていないとべつの記事に書いたとおり。あまりにリスキーで自分から出向くことは自粛している。そのため畑は放置。

時期によってはできすぎるからだ。食べる分だけ作ってもよいが手間は全面に植えつけるのとさほど変わらない。したがって家族が草とりだけして維持しているだけ。

デメリットは不足する野菜を買い出しにむかう必要があること。以前はつくるやさいだけでは補えない米、肉や魚などを買い足すだけでよかったが、野菜がくわわると運転するか宅配業者に頼らないとならない。車はどうしても手放せない。ご近所さんには家族4人とも車を持つ家があるぐらい。

もしも、公共交通機関に頼り買い物に向かおうとすると、重たい荷物をかかえつつ歩き~電車~歩き→買い物→歩き~電車~歩きで半日が過ぎることになる。何も大げさではない。つぎの列車を乗り過ごすと昼間など1時間半近く待たねばならないこともある。でも出ようと思えば街中に行けるし陽のあるうちにもどってこれる。まだ便利なほうだろう。

お昼に家にもどれるようにスーパーの開店時間の9時すぎに合わせて向かうつもりならば、朝の7時ごろから家を出る準備を始めないとならない。半日なのでマイボトルをたずさえて、往きから荷物をかかえている。このあたりの車を使わない方のなかにはそうした生活をされている方がいらっしゃる。

おわりに

 なにもメリット、デメリットと単純に示そうとも思わないし、それを示したとしても各地方の特性は千差万別。上のどれもがここのくらし。ありのまま示すにすぎない。

澄んだ空気のなか、丘に登るとごく低い位置からのぼる朝日を眺められるし、山に入るとけもの臭がして動物の気配を周囲から感じる。わざとすずを鳴らしながら足早に通り過ぎる。午前中の海風は玄関先をここちよくとおりぬける。よいところを楽しみ、そのほかはこんなもんだろうとわりきっているつもり。

大雨で道を両方向で寸断されると孤立する(実際に経験あり)。昨年などは2回避難して夜をすごした。1度はもどってきたら家はないかもしれないなとひと目家をふりかえりつつ避難した。車庫の屋根がふっ飛ぶ程度で済んでホッとした。

自然の猛威には抗えない。したがって自己責任で食料その他は備えないと。あたりまえか。

その程度の認識で過ごしているなさけない自分がいる。

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