私は死にたくて腹を切ったことがある

私は死にたくて腹を切ったことがある

こんにちは、漫画で猫のジャンキーを描いてます、ばんばんです。

突然ですが7年前、私は死にたくてお腹を切ったことがあります。

そう、切腹です。

戦国時代でもなく、侍でも武将でもなく城を攻め込まれた訳でもなく、平成で私はただのOLで冷蔵庫にはアロエヨーグルトを3個買い溜めしてて、東京のワンルームで切腹して死のうとしました。

腹に包丁を突きつけるその時の心境は侍っぽく無念さはありました。

数ある死ぬ方法でなぜわざわざ切腹を選んだかというと、昔見たニュースか本の記録に確かいじめにあった男の子が自分のお腹を切って自殺したとあって衝撃だったからです。

7歳とかじゃなかったかな。

(ソースが見つからないのですが年齢の間違えはあってもお腹を切って自死したというのは確かに見ました)

衝撃でした。

首吊りでもなく飛び降りでもなく、7歳の男の子が切腹して死ぬ。

私は「そんなにも死にたかったのか!」とショックでした。

この世は素晴らしく優しい人や物事もあるけれど、おぞましいほどに残酷なものも、7歳の男の子が自ら死ぬこともある。

明暗どちらもある、表裏一体、カオスであるのがこの世、私達の生きる場所だと思っています。

光があるから影がある。逆も然り、どちらか一つでは成り立たない。

むしろ地獄が前提で、地獄の中で光を見いだし生きているって位に思うほうがいい。

光のある場所もあるけれど、時に自分がもう暗がりから抜け出せない気がして気力も足元すら見え無くなってしまう時があるのです。

東京のワンルームで私はどうしようもなく暗い世界にいました。

もうこれは、私が私である限り地獄だと思い、私の意識がある限り苦しいのだから、逃れるには死ぬしかないと思いました。

その時に、お腹を切った男の子のことを思い出しました。

名前も顔もわからない男の子。この世に数年だけいて去ってしまった男の子。

お腹切るの、痛かっただろうに。

男の子はそうまでしてこの世を去りたかったのだ。

私もそうするべきだ、と思いました。

私の「死にたい」はどれ程だ。

あの男の子程なのか。

お前が本当に死にたいのなら、その痛みを超えて死ねー!

そんな声が聞こえたのです。

私も男の子のように、おそらく壮絶な、死んだ方がましな痛みを味わって死ぬべきだと思いました。

正座をして、家の中で1番切れてお気に入りだった包丁を持ちました。

鶏肉を切ったときの感触を思い出しました。「あんな感じなのかな…」

ひた、と皮膚に刃をあてて、あてて、じっとしました。

恐ろしくてじっとしてしまったのです。動くと切れてしまうから。こわいから。

じっとしているのにはあはあと息があがり、心臓が早鐘のようにうちました。

切腹の男の子、君もか?

君もこんなだったのか?

負けた戦国武将よ、お主もこんな?

三島由紀夫も?

自分の記憶にある切腹した人達に目まぐるしく感情移入しました。

私は包丁のえをギュッと握り締め

「あだだだだだだだだだ」

腕ごと横にスッと引いた途端に激痛が走り私は叫んでいました。

「あだだだだ」

これ腸でちゃったんじゃないの!?

腸が超でちゃったんじゃないの!?

切腹して死んだ方がいいダジャレを思いながら腹を見ると、赤ペンでスーッと一本線を引いたみたいなのがありました。

血です。我が血。

たったそれだけ。

「こんだけ!?」

こんなに痛いのに、私の肉体的ダメージこれだけ!?

むちゃくちゃ痛いのに、お腹に赤線引いただけ。

痛みとのバランスおかしいよ!!

ええい地球の人間は化け物か!!

神様は痛みとダメージのバランスを間違えてお作りなさった。

サッカーでファールで凄く大げさに吹っ飛んで倒れるやつみたいだ。

「無理!!!!」

切腹、無理、痛すぎ、死にそう、助けて、男の子すごすぎ、私無理!

私は早々に諦めました。

あんなに死のうとして腹を切ったのに、もうこの痛みをなんとかしたくて堪らなくなっていました。

最低です、切腹して死んだ方がいいやつです。

赤線が滲んで、下腹に垂れていきます。

あだだだだ言いながら私は救急車を呼びました。

「台所で転んで…手をついたとこに包丁があってこう、切ってしまいました」

たぶん0点の言い訳を言いました。

切腹しようとして痛くてやめて挙げ句の果てに切腹しようとした事実を隠す。

これ程までに切腹に相応しい存在がいるでしょうか。

救急車がきました。

救急隊員さんに再び0点の言い訳を言いました。

救急隊員さんは私の目に光をあてて、瞳孔のチェックをしました。

「あっ君、なんか薬やってる?」

私は完全なる素面でした。

興奮して瞳孔が開いていたらしいです。

素面で切腹して死のうとした秘密を守りつつ、私は病院に運ばれて、そのままベッドに寝かせてもらい、一泊して帰りました。

私は生き残ってしまいました。

死にたかったのに、お腹を切ったら、本当に痛くて、死にたいよりもこの痛みをなんとかしたいが上回ってしまいました。

私には切腹して死ぬ根性がない。

あの男の子のようにどうしても死にたいわけではなかったのです。

私は自分の甘さを恥じて反省しました。

私はもう生きるしか無い。

生きるしか無いんだ。

そう痛感しました。

これ以来、私には死ぬ事が選択肢にありません。

良さそうなプラットフォームをやっと見つけて、どこかで出してみようと描いてみたかった猫のジャンキーのはなしを、なんかキャンペーンも始まって、お金も沢山貰えるかもと、せっせと描いて。

全然全くSNSで活動もしてないし、Twitterのフォロワーも勿論いないし、でも投稿したら、多くの人に読んで貰えて、嬉しくて、ランキングでも初めは2位だったけど、後半になって、もう既に有名で、フォロワーさんも沢山いて、お金も間違いなく私より持っているであろう色々と裕福で力のあるプレイヤーさんが参加してあっという間にランキング上位になられて、私は7位になっていて、ジャンキーのアクセス数も減って、ジャンキー面白くなくなっちゃったのかなあとか思って、はじめに沢山貰えそうだったお金がもらえなくなって、でもプラットフォームは盛り上がって、よくて、でも私はなんだか寂しい悲しい気持ちになって、まさにこの世のカオスみたいでも、死のうとは思っていません。

死ねって思いそうだけど、思っていません。

頑張って生きています。すいもあまいも肉も野菜も食らって。

生きています。消えないお腹の傷跡とともに。

そんな人の描いている猫のジャンキーはこちら↓

完結させますので、読んでやってください。

よろしくお願いします。

‪猫のジャンキー 第1話 | ばんばん https://spotlight.soy/detail?article_id=fesmzn5n1‬

 

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